お庭からベランダ、エクステリアなどガーデニング回りをスタイリッシュに演出

 

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今年で、はままつフラワーパーク、スマイルガーデンの植栽デザインに関わって10年。

最初は思ったように植物が育たず、何度も土壌改良を重ねてうまく育つように工夫を重ね

うまく育つ植物をみきわめながら。

花が一定の時期(桜のときはチューリップ/しかし遅咲きはバランスが難しい)

(藤のときは、早咲きの宿根草や背の高くなる一年草)がタイミング良く咲くように。

これはフラワーパークの担当ヘッド・ガーデナーのおざわさんが毎日の庭の管理で休みなく

手をいれてくれているからでもあるし、気づいたことを報告してもらったり。

やはり「栽培ありき」の植栽デザインなので、ここを知らないと難しい。よって

ここまで来るのに10年がかかったということもありますが

庭の地形や気象条件がもたらす、メリット・デメリットを知らないと

難しいのですが、それも、毎年状況が変わってきています。

毎年去年と同じではない。温暖化の影響。大雨。干ばつ。2月に真夏日?!3月に寒かった。

しかし、そんな中で、10年優秀な灌木類。この景色のなかでは

コデマリ`ゴールドファウンテン`

分類: バラ科シモツケ属の落葉低木
学名: Spiraea × vanhouttei 'Gold Fountain'

晩秋、株元・地際で本数を制限し、剪定しながら樹形をキープ。

決して枝の途中で切らないこと!

この場所に植えて10年になりますが、御し方もわかってきたので

欠かせない存在

実はこの庭の重要なベースになっていて。

ただし、この見事な黄色の葉っぱは、カラースキームの

黄色が活かせない場所には植えられないので

ほかのエリアにはいろいろ他の種類を試してきているのですが

大きくなり過ぎたり、理想の形に育たなかったり。

また、アリウムは、このところ、私が代々木でもほかの庭でも

使うことが多い、アリウム`パープルレイン`は丈夫で

フジの開花にタイミングがあうし、夏越しして翌年の開花性も高い。

青い花が目立つエキウムは、今回は早春から3〜4回も剪定を続けてここまで。

放置すると暴れてみっともなく、なりやすい。

写真のまんなか。クラスペディア (通称 ドラムスティック)は夏越しが難しいので

一年草扱いの宿根草、もっと咲いてくると真っ黄色のボールが風に揺れて美しい。

中之条ガーデンズでは夏越しできるかもと、今年の宿根を楽しみにしていますが。

いずれの花も、風通し、日当たり、水捌けの良い土壌環境が必要です。

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そして同じ、150mのダブルボーダー、スマイルガーデンの西側は西陽が厳しくそれでいて午前中は日陰っぽい環境。

もともとここは、川底だったのではないかと 思うほどに見ての通り、ゴロゴロと丸い砂利が出てきます。かなり大きい。左右が山でそこから水が流れてくるので、長年をかけて水はけは頑張っているものの、かなり厳しい環境にあります。そんな中で屈強なのが、アジュガ。

西日が本当に厳しいエリアでは生き残らないのですが、

微妙な日当たりのバランスによって植栽から10年。

自然に増えるものをガーデナーが減らしたり、移植したりと

藤が咲く時期にまるで逆さ藤のように頑張っています。

真っ赤な花はゲウム。

こちらは夏に消えるものと息も残るものがありますが、ベーシックには毎年秋に、

バランスを考えながら植え直しているものが多いです。

まだ開花していませんが、ここには、たくさんのジギタリス。

例年ですと藤の頃に開花するのですが、今年はジギタリスが遅いです。

アリウムは白系の品種。やはり、計画通りにフジの頃に咲かなかった。

やはり自分の庭と違い、観光庭園の仕事ですので、集客時期のエンターテイメント性を考慮しながら

バランスを大切に。

というわけで、毎年、違った表情を見せる庭。来年の計画はすでに始まっていて、

一昨年の時点で、来年はガーデンのデザイン監修は卒業なんて考えていましたが、

あともう1年はこのフラワーパークの植栽デザインを

続けさせていただきたい。...なんて...お話をして帰ってきた次第です。

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そして、通路、最も低い縁取り、根締め装飾に植っている 

セージ`パープルボルケーノ`(赤黒い葉っぱ、通路に見えている。)

は、去年の夏に虫害で爆減り。増えて増えてしょうがないものを生き残りの難しい場所でグランドカバーにしていた。

今年は極端に減ってしまったものの、さてこの夏、またどうなるでしょう。

写真の白っぽい花は、パンジー以外で言うと、ダイアンサス、セントランサス。

ピンクはリクニス。こぼれだねで増えるものと植えているものと。

背後の銅葉は

銅葉のペンステモン`ハスカーレッド`これから、白のジギタリスが咲いてきます。

こうして、何度も何度も確認しながら反省しつつ、 来年は石はこれだな。などと

デザインのイメージを膨らませています。植え付け作業の時は、ネイビーが多いのですが

満開の時期のアウトフィットは、なるべく花の色に合わせて。


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吉谷桂子

英国園芸研究家、ガーデン&プロダクトデザイナー。7年間英国に在住した経験を生かしたガーデンライフを提案。さまざまなイベントや雑誌などに出演するほか講師を務め、著書も多数。また国際バラとガーデニングショウやレストランなどの植栽デザインを担当。2013年春にファッションブランド「Shade」を立ち上げた。


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