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待ちわびた開花を楽しむ季節。同時に、健康な株を維持しながら、生育を促すための作業を行う季節でもあります。
作業ポイントは、花摘み、病害中対策、追肥です。

花摘み

花がら摘み、なんて聞くと、枯れるまで切らなくていいような気がしますが、バラは花がらになってから摘むのでは遅すぎます。
花がらではなく「花摘み」と呼びたいぐらい。切る位置が多少違っても、切るタイミングだけはハズさないでほしいですね。
つぼみが緩み始めたらもう花摘みOK。願わくば8分咲き位、おしべが黄色から茶色に変色しはじめたら摘み取ってしまいましょう。

≪ バラ栽培これだけは ≫

▼ 9分咲きまでには摘み取るべし。
▼ 元気な本葉を枝に残すべし。
▼ 花に水がつかないよう水あげを。

花がら摘みと思うべからず。つぼみが緩んだら摘みどき!

待ちに待った開花シーズン。せっかく咲かせた花だからいつまでも楽しみたい、と思いがちですが、バラにしてみれば開花中はもっとも体力が消耗する時期です。
花をたくさん楽しむためにも早めに摘むのは何よりも大事。バラの場合、花がらになるまで待たないことです。
遅くとも9分咲きまでに。つぼみが開き始めたときに摘んで切り花で楽しむのがベストです。
カットする際に、特に意識したいのは、株に5枚葉以上の元気な本葉をきちんと残してあげるということです。

葉は栄養をつくる工場。バラは、小葉が5枚揃ってはじめて本葉となり、一枚の葉と同じ働きをします。
花を摘むときには、枝に本葉を3〜4枚残すのが基本。コンパクトに仕立てるために、深めに切ることもありますが、病気で葉が落ちていたり、傷んでいる場合は禁物です。
大事な栄養工場を閉鎖することになりかねません。

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基本はa〜bの間で切る。深切りすると花が咲くまで時間がかかるが、勢いのよい枝を伸ばすことができる。コンパクトに仕立てたいときにも有効。
cの位置で切ると、すぐまた次の花が咲くが、丈は短く、良い枝が出ない。また、花を繰り返しつけさせると体力を消耗し、株も弱りやすくなる。

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花摘みの際は水を張ったバケツ持参で。花を切ったら水中でふたたび水切りを。
茎を水に浸したまま下から3cm以上を斜めにカット。その後、1時間ほど花首まで水に浸けておくと花が長持ちする。

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小葉が7枚あると、台木の葉と思われがちだが、イングリッシュローズやオールドローズなどには7枚葉や9枚葉など5枚葉以上の本葉もある。

新苗の花は、咲かせず切り戻し

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株を大きくするため、花は咲かせずに花摘みを。
つぼみからガク片が離れ、つぼみを人指し指と親指でつまんでやわらかければ、切り花にしても花が咲いてくれるタイミング。部屋でも楽しみましょう。

病害虫対策

≪ バラ栽培これだけは ≫

▼ 病気の発生理由を知って、効果的な防除を。
▼ 薬剤散布は葉の裏に集中的に。
▼ 先手必勝! 朝5分の観察で早期発見に努める。

病害虫も動き始める季節。早期の対策なら薬剤の量は激減!

葉は大事な栄養工場。病害虫対策は花を守るというより、この工場を守るためといっても過言ではありません。
気温や湿度が高くなってくると、虫や病気も本格的に活動し始めます。新芽が伸びてきたら対策を開始するのが得策です。
虫や病気の発生には理由があります。少ない薬剤で効果をあげるためにも、初心者が気軽にバラを咲かせる喜びを体験するためにも、このあたりの因果関係を知ってくと、思ったよりラクに対処できるものです。
4月に入ってまず注意したいのはウドンコ病。葉に白い粉をまぶしたようになる病気です。
重症になると、木の生長に影響するほどですが、早めに発見すれば、軽い対策で済みます。
初期段階なら白い部分をふきとってあげるだけでも効果大。菌は夜活動するので、治療は早朝または夕暮れに散布して。
トリフミンで予防、発病したら治療薬のミラネシンを混合して散布すると効果的です。
雨が多くなると黒点病(黒星病)の出番。雨水などの跳ね返りで、土の病原菌が葉に伝染して発生するからです。
最も有効な防除策は、地表をバークなどでマルチングすること。そして薬剤散布は雨が降る前に行いましょう。
予防ならダコニール、治療にはサプロールを散布。害虫は見つけしだい捕殺が鉄則。観察を怠らなければ、大量発生する前に退治できます。

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茂みがあって大変な作業も、ねらいたい場所にピンポイントで散布できるよう、長い柄があるものを選ぶとよい。

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虫や病気は葉の裏に発生することが多い。葉裏を重点的に散布すれば万全。

病害虫対策といえば、薬剤散布は欠かせません。
まったくの無農薬を目指す人もいますが、それでは咲かせる喜びを知る前に嫌になってしまうかも。
薬剤に頼るのではなく、賢く使いこなしてバラを守っていきましょう。タイミングや方法が減農薬のカギです。
また、朝の5分、様子を見てあげることも有効。
アブラムシも大量発生する前なら、ハケ一本で退治できるのですから。

追肥

肥料食い、なんて言葉がバラ栽培を面倒臭いものに思わせていますね。
実際は、肥料なんて月一回で十分。大事なことは回数ではなく、施肥の位置と種類です。
化学肥料は用法を間違えて多く与えすぎると肥料焼けの原因となり、また株が軟弱に育ち、病気にかかりやすくなることもあります。初心者こそ有機肥料を!

≪ バラ栽培これだけは ≫

▼ 本は月一回。
▼ やり過ぎ厳禁・腹8分目。
▼ 夏場の追肥にご用心。

栄養は根の先から吸収される。だから施肥は株元から離して!

追肥として与える肥料は、緩やかな効き目が持続する、有機肥料を使ってください。やはり、元肥同様、置肥が初心者にはおすすめです。
3月頃から始める追肥は、月に一回で十分。量は、目安としてだいたい1回につき50〜100g。(市販の肥料の用量・用法を守って!!)自分の手のひらにのせて、どれくらいの量になるのか目検討をつけておくと、毎月の作業がはかどります。

つぼみが色づいてきたら、追肥を控え、花後にまた再開します。6月頃は、株が弱まる時期。
くたびれているようなら、速効性のある液肥などを栄養補給のサプリメントとして与えましょう。

ただ、シュラブ系の大きくなる品種は、この後7月、8月頃の施肥は休ませるのがベター。夏場に与えてしまうと、葉ばかりに栄養がいきすぎて、次の花が咲かなくなることも。
ただし、繰り返し咲きのバラには、通常通り与えてもOK。肥料の与え過ぎに注意を。

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Garden&Garden 特別編集

「大好きな草花に囲まれて暮らしたい」「もっと自分らしい庭をつくりたい」そんな思いを持ったガーデナーに向けて、等身大のガーデンライフをガーデニング季刊誌 Garden&Gardenにて提案。 「いかに使うか」や「どう過ごすか」で、庭やベランダがもう一つのリビングに大変身。インテリアを楽しむように、自分にあった素敵な空間をつくるヒントを発信しています。

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