お庭からベランダ、エクステリアなどガーデニング回りをスタイリッシュに演出

 

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The remains of the flowers といってもいいのかしら?

「日の名残り」カズオイシグロ氏のあの有名なイギリス小説を、花版でイメージ。

昨日は、2週間ほど引き続いた出たり入ったりの出張の連続最終日でくたびれぎみの私と共に、

超混み合った飛行機や公共交通手段で北海道から一緒に帰ってきた庭の花たち。

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クラフトワークショップでお客様を迎え、これらの花を眺め、できれば摘んで頂くためもあり、

おととい(11月3日)までは霜除けシートをかけて守られてきたダリアたち。

それも多分、今日で終わり。と、最後の花を摘ませていただいたのは、この日の4時半頃。

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翌朝、北海道には冬が来ていました。銀河庭園に来てみると、ガーデナーの山口さんの言う通り、

ダリアには霜。悲しく切ないけれども、こうなる前に前日摘んでおいた花は、

ホテルの暖房の効いた部屋で一晩を過ごして

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翌朝ホテルの部屋に光が差して。これを夜まで持ち歩き、飛行機、バス、タクシーと銀河庭園から

5時間かけて我が家に来たのが最初の写真です。ワークショップに参加された方も、本州の方々は大変だったかな。(混んだ機内、手荷物庫で潰れてしまった。防水袋に入れ箱入りにすればよかった!)

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最後まで、美なり善なりと全うするのが、有終の美なら、若干こじつけっぽいですが

明日には霜で全滅するかもしれないからと。北海道から我が家にやってきた花たち。茎を短く切り戻すことで、長生きさせる。そのために小さな花瓶。役立つ。

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わーきれいなアスター。銀河庭園のブラック&ホワイトガーデン。

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そして、これぞ、有終の美だと思っている眺め。「枯れた花を放置してる」と言われたことも

何度かありましたけれども、私は昔から大好きでした。立ち枯れている姿も。

きれいに枯れないこともあり、その場合は、カットしますが。

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ナチュラリスティックの考え方の始まる前から。

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秋の庭の美しさ!

人生の終わりを意識するようになったのは、私は、もしかしたら、人よりちょっと早かったかも。

自分自身も、この感じを目指したいけれど、これは、なかなか難しいぞ。

と、若い時から実感していました。

人の一生、花と同じで、若い時期は美しくいられるけれども、徐々に、上手に年を重ねて美しくいるのはそう簡単ではない。ヨーロッパの宿根草は美しい秋冬を迎えるけれど、温暖地の秋冬は

植物と人生の話を重ねるのは乱暴かもしれませんが、

憧れの年配の方々が多いように感じていた、イギリスに移住してみたのは、30代半ばです。

どんな年配になりたいのかイメージ、30代のころは持てなかった。

なので、いくつかあった移住の理由に、本物の西洋のインテリアやエクステリアを知りたいのと同時に、素敵な年配の方々の存在に触れてみたかった。すると園芸家との出会いが。

そんな年の取り方と有終の美と秋の庭。

なんだか重なってしまうのよね。

しかし、美しく華やかな花は、当然誰にでも美しく見えますが、枯れたものはきれいではないと思う考え方のあるのも知ってる。

なので、どっちも好きだというと、誤解を受けそうではあるけれども。

Piet Oudolfさんは、どちらかだったら花より、スケルトン。と言ってらした。

私はどっちも、その季節なりに好きだ。順位を決める意味も、私にはわからない。

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さて、今は本物の秋の最中。秋の植物に「有終の美」を探すのは今!とはいえ。本州温暖地では夏の暑さと台風などで、あまり植物が美しく紅葉したり立ち枯れにくく倒れたりしがちです。が....。

庭はいいですよね。また翌年への新たな計画もスタートできる!

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球根を植えるのも今!人が踏みしめない場所を選んでエレムルス。その合間に丈夫なアスターを植えて

植えっぱなしエリアを。これは山口さんのアイデア。

初夏にエレムルス。秋にアスター。ともに濃淡ピンク系で。

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ほかにも気温の下がるなか、昨日は、たくさんの球根を銀河庭園に植えました。

この写真は、アリウム 'オブリクム' 100球ほど、高価なのですっごく大事に。1球ずつ。

それぞれスイセン、原種チューリップ〜アリウム、フリチラリアetc.

来年の春から〜夏そして、秋もまた美しく咲く予定なので、

来年も、来年こそ、ぜひぜひ、お越しいただけたらと思います〜!


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吉谷桂子

英国園芸研究家、ガーデン&プロダクトデザイナー。7年間英国に在住した経験を生かしたガーデンライフを提案。さまざまなイベントや雑誌などに出演するほか講師を務め、著書も多数。また国際バラとガーデニングショウやレストランなどの植栽デザインを担当。2013年春にファッションブランド「Shade」を立ち上げた。


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