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専門家吉谷桂子のガーデンダイアリー ~花と緑と豊かに暮らすガーデニング手帖~

植栽プランの基本 立ち上がる、丸く広がる、下に下がる

吉谷桂子

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先日の星の王子さまミュージアムの新たな宿根草の植栽の時、何を考え、その配置をしているか。

なぜこれがここに植わるのか、決めているのか、わからない方も多いと伺いました。

もちろん、草花の生態環境がこの地面にあっている事が最優先ですが、

調和する眺めを作るためには、このタイトルになっている三拍子

「立ち上がる、丸く広がる、下に下がる(あるいは地被する)」これが基本になっています。

そして、草花の色というより、その形状(葉の形、質感)と育ち方(繁茂の広がり方)。

8年ほど前に描いたスケッチがでてきて、春、新たな植栽をプランされている方の役に

立つかもしれないと思い、ヘタなスケッチですが...。

どんな植物の植え込みも、植えた後にどんな完成形になるのかを想像して、その理想に近づけるために配置。植え込みをします。

イメージするには、あらかじめ簡単に描いておくのが一番なのです。

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1 壁際の花壇に植え込む場合

植栽の基本、三拍子パターン、1、立ち上がる植物(尖って咲く花)、2、横に広がる植物、3、下に下がる植物、の バランスで配置。

後ろが壁で風通しが微妙な場合、なるべく強い丈夫な植物を背後に植えます。
ここではニューサイランかパニカムのようなグラス植物や斑入りマサキのような常緑の低木など、冬の間も姿が残るものが好ましい)また、眺めのもっとも手前の部分には(丸い花とある部分)ベルゲニアのように葉の丸い常緑を植えると、これまた冬も緑の眺めがあるので殺風景になりにくい。もちろん、パンジーのような一年草が間に入ったり。

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ステディな宿根草や潅木の間に、丈夫な球根、アリウムでも、スファエロセラムや小球根の類を

入れて、季節になると花咲く品種を。

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ベス・チャトーさんの庭のように植栽の島を作るときは、形の美しい樹木がシンボルになるその周囲を、やはり、三拍子

「立ち上がる、丸く広がる、下に下がる(あるいは地被する)」

このとき、具体的に描いた植物は、これを描いた8年前の私の定番とはちょっと違っているかもしれませんが、ペンステモン・ハスカーレッドは、欠かせない。色調は黄色系と青系で。

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この週末は、最後の植え直しのチャンスとして、わずかな時間を見つけて屋上の庭、

ベランダの庭、南の庭、北の庭それぞれを掘り返しているのですが、

今年は、アスター系、サンギソルバ(ワレモコウ系)やグラス類(写真はカラマグロスティス)

の種類を増やしました。

去年、オランダの庭を見学した影響です。写真は今年も花咲いたスパラキシス。

大昔の国際バラとガーデニングショウからやってきた。夏も、冬も一度も冠水をしなかった、

肥料も与えていないこの場所で10年くらいずっと細々と咲いてますが、今年はお礼肥をあげてみよう。

ホソバのアガベに、こぼれ種のリナリアプルプレアが寄せ植えしたみたいに今年も繁茂中。


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吉谷桂子

英国園芸研究家、ガーデン&プロダクトデザイナー。7年間英国に在住した経験を生かしたガーデンライフを提案。さまざまなイベントや雑誌などに出演するほか講師を務め、著書も多数。また国際バラとガーデニングショウやレストランなどの植栽デザインを担当。2013年春にファッションブランド「Shade」を立ち上げた。


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