2023.9.11 / 訪ねてみたい名庭園
少し前の記事で、長野県大町市にある美しいガーデン、「ラ・カスタ ナチュラル ヒーリング ガーデン」のことを
ご紹介いたしました。
本当に素晴らしいガーデンで、是非、実物を見に行っていただきたいのですが、
僕個人的には、もうひとつ注目していることがあります。
実は、すでに出来上がっているガーデンも大変素晴らしいのですが、今、まさにこれから作ろうとされている
ガーデンエリアがあるのです。
こちらは、広い駐車場からガーデンに入る手前にある受付(チケットセンター)のような建物です。
大きな三角屋根のお洒落な建物は、実はこのガーデンを運営する会社、アルペンローゼさんの製品である
エッセンシャルオイルや化粧水などのブランドそのものを体感できる旗艦店「ラ・カスタ 北アルプス本店」
とのことです。
実は、初めて長野県白馬村を訪れた数年前に、このガーデンを見に来たのですが、
その時はたまたま閉園中で見れなかったのですが、その時には、まだこの建物はできていなかったように
記憶しています。
今回、初めてガーデンを見に訪れた際、エントランスゲート部分に、この美しい建物が出来上がっていて、
その建物の前に、まさに庭を作っている状況に巡り合えたのです。
まだ、高木や中低木などの樹木類だけが植栽されていて、その足元には宿根草などは植えられておらず、
土のまま露出している状態でした。
なかなか庭づくりの途中の状況を見るれるなんてありませんから、このシーンで出会えたのはとても貴重です。
実は、僕自身の母校である地元の高校が今年創立100周年を迎えて、その創立100周年の記念事業として
学校の校舎に囲われた中庭を整備するプロジェクトに、ガーデンデザイナーとして関わらせていただいています。
(詳細は、また今後こちらのブログでもお知らせできると思いますので、今しばらくお待ちください。)
その高校の中庭でも、多種多様な樹木を植栽する計画なのですが、そんな大きな庭づくりの参考事例として、
このラ・カスタの新しい庭に、個人的に大変興味を持ちました。
駐車場から、建物へのアプローチ部分。
一本だけ、とても大きな樹木(たぶんケヤキで、樹高10m近い)が植えられていました。
その足元には、大きな木陰が出来ていました。ベンチも置かれています。
こちらが、そのケヤキの大木の足元。
樹高もさることながら、樹冠(樹の広がり)も大きく、とても広い範囲に木陰ができていました。
庭の植栽には、高木のメリハリ(樹高や株姿)が重要で、このケヤキの大木のような、
まさにシンボルツリーを最初に配置するのが、庭づくりの第一歩ではないかと思います。
駐車場とつながる枕木の小径。
この小径の両側に植えられていたのは、まだほんの小さな苗木でした。
こちらは、反対側の小径。
こちらも小径の両側に植えられている樹木は小さなものが多いです。
これらが成長して、やがて森の小径のような風景を構成していくのだと思います。
反対側から見たアングル。
樹木の大きさの層(レイヤー)が分かりやすいですね。
小径に近いところに低木、そしてその奥に中木、中央に高木といった感じで、樹木の階層が作られています。
庭の端の方には、せせらぎも作られていました。
今は、周囲が土がむき出しのままになっているので、風情は感じられませんが、これから木々が茂り、
その足元に宿根草が植えられ育っていくと、いい感じになってくれそうですね。
「ラ・カスタ ナチュラル ヒーリング ガーデン」の新しい庭。
まさにこれから作り込んでいく途中を垣間見ることが出来て、とても刺激をもらいました。
このガーデンの樹々が成長し、足元に多様な宿根草が植えられ、庭として熟成されてきたタイミングで
是非また訪れてみたいと思っています。
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