今年2017年も始まり、早いものでもう2週間が過ぎてしまいました。
こちらのブログに記事を書かせていただくようになって、1年が経ちました。
バラを自宅の庭で育て始めて、今年で5年、試行錯誤しながら、「バラのある風景」をデザインしてきました。
これまで試してきたことを振り返りながら、このブログを書かせていただいていますが、
何か皆さんのお役に立てれば嬉しいなぁと思っています。
引き続き、今年も「バラのある風景」について、いろいろと綴って行きたいと思っています。
どうぞよろしくお願いします!
さて、昨年末に「つるバラの誘引作業」について、ブログ記事を書かせていただきました。
1回では書き切れないので、2回に分けて紹介しますね!と書きましたが、今回はその2回目です。
昨年末から、つい最近まで、週末の土日や年末年始の休みのほとんどを費やして、
我が家の庭のつるバラの誘引作業をやっていました。
寒空の下、凍えながら長時間に亘って庭作業をするのは大変ではありますが、ロザリアンにとっては、
このつるバラ誘引作業がこの上なく楽しい時間でもあります。
5月にどのようにバラの花を咲かせるのか、そのイメージを頭の中に描きながら、誘引していくのですが、
まさに壮大な絵を描くための「下絵」を書いているような感覚です。
この冬のつるバラの誘引作業の写真もたくさん撮ってはいるのですが、整理が追いつかず(汗)、
今回は1年前の冬に行った我が家のつるバラ誘引作業の写真を見ていただきながら、
「つるバラのある風景」をご紹介してみたいと思います。
前回は、我が家の「前庭の壁面誘引」の様子を紹介しましたが、今回は中庭のつるバラや、パーゴラに誘引した
つるバラの誘引について書いてみます。
● 中庭、鉢植えの木立性のバラと壁面誘引のつるバラのコラボレーション
まずは、こちらの写真をご覧下さい。
昨年2016年5月のバラが最盛期の頃の我が家の中庭風景です。
我が家の庭は、乱貼り石を敷き詰めた部分が多く、極端に土の部分が少ないため、
特に中庭では鉢植えの木立性のバラが主力となっています。
鉢植えだからこそ、容易に移動が出来るので、自由にレイアウトの変更ができるのが便利です。
一方で、部分的に地植えのつるバラを使って、壁面誘引をしています。
一本のつるバラで、大きな壁面をカバーできる「ダイナミックな演出」が、つるバラの最大の魅力です。
● 中庭の小壁のつるバラ、剪定・誘引前の様子
こちらは、中庭の隣地境界のブロック塀に誘引しているつるバラで、カーディナル・ヒューム。
剪定・誘引前の状態です。
この隣地境界のブロック塀は、敷地の南側にあるのですが、隣接する家屋の影響でかなりの日影エリアです。
そのため、この小壁に誘引したつるバラは、光を求めて壁の上の方に伸びて行きます。
カーディナル・ヒュームは、日影でも良く咲く品種なのですが、日影ということもあり、枝(シュート)の出方が
ひねくれたように歪(いびつ)になってしまいます。
この乱れた枝を、如何にこの小さな壁面に納めるかが、誘引のポイントになります。
● 剪定・誘引後の小壁の様子
こちらが、カーディナル・ヒュームの剪定・誘引後の様子です。
旺盛に伸びたシュートを咲く枝だけに選別し、次に花を咲かせる場所を壁全体に散りばめるように、
枝を配置していきます。
きれいな枝の出方をするバラだと、その作業も楽なのですが、ここではかなり苦労しながら
網目状に枝を誘引していきました。
春には、光を求めて花茎が一段伸びて花が咲きますので、それを計算しながら、
壁面の上まで全部使わず、少し余白を残しながら誘引しています。
結果、一枚目の写真のように、まんべんなく壁一面に赤紫色の花が咲いてくれました。
● 壁のコーナー部分を印象的に魅せる、つるばらの誘引
このサーモンピンク色の壁面は、2階に上がる階段室を中庭側から見たところです。
そして、この中庭に張り出した印象的なコーナー部分に誘引しているつるバラは、
早咲き品種のスパニッシュ・ビューティです。
フリルのかかったような美しい花形で、ピンクの大輪花です。
フラットな壁面に誘引するつるバラももちろん美しいのですが、こういった建物の
出隅(コーナー)部分につるバラを誘引することで、より立体的な演出ができます。
この階段室部分は、ガラス窓になっているので、室内側からも花を見ることが出来る
ようになっています。
建物の構造をうまく活用して、つるバラを誘引する壁面を探すことも、
イマジネーションをかき立てられ、とても楽しい作業です。
● 建物にビス等を打ち込まない誘引方法
この階段室部分は、モルタル壁となっていますので、つるバラを誘引する
ワイヤーを張るためのビスを、建物に直接打ち込むのは少々懸念があります。
とはいえ、つるバラを誘引するためには、ワイヤーを設置しないと出来ませんので、
ここでは、窓のサッシに外周にぐるっとワイヤーを回しています。
そのサッシ回りのワイヤーを手がかりに、つるバラの枝を麻ひもで留めています。
そうすることで、窓面を横切るワイヤーも出ず、スッキリとした誘引風景を作る
ことができています。
つるバラの誘引にはいろいろ制約があって難しい部分もありますが、
ちょっとした工夫で解決できることも多々あります。
試行錯誤しながら、アイディアを練るのも楽しいものです。
● 中庭・軒下の壁面誘引
こちらは、中庭の玄関アプローチ部分です。
この写真では分かりにくいですが、このつるバラを誘引している壁面の上部には2階がオーバーハング(張り出)
していて、日当りが悪い場所なのです。
ただ、前庭から中庭へとつながる玄関アプローチで、目立つ場所なので、この壁面にもバラを咲かせてみたいと
欲張ってみたい場所なのです。
とはいえ、日当りも風通しも悪く、植物を育てるには厳しい環境条件で、この部分をどのように演出するか、
毎年頭を悩ますエリアでもあります。
● バラの開花時の様子
以前はこの場所は、鉢植えの植物を並べる、プランターガーデンでした。
ですが、何とか地植えで育てられないかということで、2年前にバラやクレマチスを植えてみました。
ただ、2階が張り出していることもあって、半日陰の日照条件ではなかなか思うように花が咲いてくれません。
この場所のベストな演出方法は、まだ見つかっていません(汗)。
なかなか答えが見つからない課題にチャレンジしていくことも、庭作業の醍醐味のひとつなのかもしれません。
今年は、またプランターガーデンに変えてチャレンジしています。
どんな風になるか、乞うご期待です。
● 補色対比を活用した花合わせ
こちらは、この軒下部分の花壇に植えているバラとクレマチスの組み合わせです。
環境条件が悪いので花付きはイマイチですが(汗)、ここで表現したいことの方向性は定まっています。
我が家は、ピンクや赤系統の同系色のバラを合わせた風景が多いのですが、ここでは白い大理石タイルを背景に、
カラフルな花色と異なる花形を組み合わせた風景を目指しています。
赤紫色の房咲きのバラは、日影でも咲くヴァイオレット、オレンジ色のバラはイングリッシュローズのパット・
オースチン、そしてバラにはない青い花を咲かせているのが、クレマチスのアフロディーテ・エレガフミナです。
お互いの色を引き立て合う「補色対比」をベースに、花形や花の大きさを変化させて、画一的にならない風景を
作ろうと考えています。
今年は、日影では咲きにくい品種を鉢植えに変えて、一旦、日当りの良い場所で咲かせてから、
このゾーンに移動させるという作戦に変更しました。
うまくいくかどうか、5月が楽しみです。
● パーゴラへつるバラの誘引
こちらは、前庭の隣地境界付近に設置している自作のパーゴラです。
我が家の庭では、地植えのつるバラのほとんどは「壁面誘引」をしているのですが、
ここだけ別の見せ方をしています。
パーゴラと言っても、短手方向(短辺方向)が前庭に面しているだけで、
あまり目立たない場所です。
しかも、このパーゴラ、建物の日影になる北側に設置しています。
誘引しているつるバラは、ポールズ・ヒマラヤン・ムスクという
大型のランブラー品種で、さすがに、株元は光の当たる前庭にあるのですが、
株元から伸びる長いツルを一旦、パーゴラの奥に引っぱり、
枝先を前庭側に持ってくるという、普通、あまりしない誘引方法をとっています。
● パーゴラからこぼれ落ちるように咲かせる
こちらが、昨年5月の開花の様子です。
建物の壁面に誘引した赤いつるバラはブレーズ、その横にパーゴラに誘引した
ポールズ・ヒマラヤン・ムスクが咲いています。
淡いピンクのポールズ・ヒマラヤン・ムスクは、パーゴラからこぼれ落ちる
ように咲いてくれました。
願わくば、もう少しパーゴラを前庭側に張り出せば良かったかな〜と、
ちょっと後悔していますが・・・・・(汗)。
大きな壁面への誘引はダイナミックな風景を作り出せますが、
こういったパーゴラから小輪房咲きの花がこぼれ落ちるように咲く風景も
なかなか風流だなぁと、改めて思います。
前回の記事でも書きましたが、都市部の住宅地の限られた狭い庭では、
なかなか思い通りにバラを咲かせることが難しいと思います。
ただ、いろいろ試行錯誤を繰り返すたびに、新しい発見やアイディアを思いつくこともあります。
バラの品種特性をうまく利用し、その場所の環境条件を見極め、うまく誘引を行えば、
自分のイメージする理想に近い風景を作り出すことも不可能ではないかもしれません。
皆さんにも、是非いろいろ試していただだきたいです。
今年の5月、皆さんの庭でも、丹誠込めたバラが咲き乱れる「美しい風景」が出来上がることを願っています。
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