2021.5.31 / ガーデニング術ネットでオープンガーデン
早いもので5月も終わり、今年の我が家のバラシーズンもあっという間に終わってしまいました。
昨年に続き、今年もコロナ禍の中で迎えたバラの最盛期ですが、オープンガーデンも行わず、
むしろ、5月は仕事で忙しく、週末、家でゆっくり過ごすこともあまりできなかったように思います。
また、今年の5月は特に週末に雨の日が多く、関西は5月中に梅雨入りしてしまうという残念にシーズンで、
せっかく咲いたバラの花も雨に打たれて、美しい状態で撮影することができなかったのも残念でした。
とはいえ、何枚か今年の我が家のバラ庭の最盛期の様子を写真に収めていますので、
昨年同様、「ネットでオープンガーデン」と称して、ご覧いただこうと思います。
まずは、我が家の前庭、前面道路に面したオープン外構スタイルのガーデンです。
正面には、我が家のシンボルツリーのエゴノキ。
株立ちの美しい樹形が特徴で、玄関アプローチの上に枝を伸ばし、奥に見える株立ちのヤマモミジと呼応する形で
緑のトンネル状を形づくります。
画面右端の引き込み電柱にも、つるバラ・チェビーチェイスを誘引し、立体的に花を咲かせています。
緩やかにカーブする玄関アプローチの両側から植栽が張り出し、奥の中庭へとつながるガラス扉を隠しています。
玄関アプローチを進むと、建物外壁に穿たれた開口部があり、そこがエントランスです。
このガラス扉までがパブリックゾーンとしての前庭、ガラス扉の奥がプライベートゾーンとしての中庭という
対比構成になっています。
バラを始めた頃は、ピンクのバラ一辺倒だったのですが、その頃に我が家の庭をご覧になった方が、
現在の我が家の庭をご覧になると、ずいぶん変わったなぁと思われることでしょう。
今は、多彩なクレマチスや、白や黄色のバラ、そして様々な葉色をもつカラーリーフのヒューケラなど
テラコッタ鉢に植え付けた宿根草を玄関アプローチの両側足元に配置し、色とりどりのカラーガーデンとなりました。
玄関アプローチの脇(画面では左側)には、前面道路からガラス扉が見えない位置に小壁を設置していて、
その小壁には、ピンクの一重咲きのつるバラ、モーツアルトを誘引しています。
その小壁を建物側から前面道路方向に見たアングルがこちら。
この小壁の手前右側につるバラ・モーツアルトの株元はあるのですが、
このモーツアルトというバラは下垂しても咲くという性質があるため、
小壁の手前側だけでなく、反対側の道路側にも枝垂れて咲くように誘引しています。
こうすることで、壁の両側でボリュームを上げて咲かせることができます。
今年はあまり徒長することなく、イメージ通り壁に沿うように咲いてくれまました。
玄関アプローチを奥まで進むと、建物外壁面に誘引したつるバラの壁面(ここを「パレット」と呼んでいます。)の
全体像を見ることができます。
ガラス扉の両側から誘引したつるバラがアーチ状に壁面を彩り、奥の中庭に何が見えるのか、期待感を持たせます。
パレット(建物外壁面)を反対方向から見ています。
壁面を使ったアーチ状のつるバラの風景の奥に、ブルーグリーンに彩られたサンルームがちらっと見えています。
建物の反対側の端から、このパレット(壁面全景)を眺めてみます。
実は、この壁面には、ジャスミーナ、パレード、チェビーチェイス、フロレンティーナ、ブレイズ、ヒースクリフ、
キング、チェビーチェイス、レッドキャスケード、9本のつるバラを誘引しています。
毎年、微妙につるバラの配置が変わったり、誘引方法が変わるため、バラの開花期の風景も毎年違って見えます。
この壁面を構成するポイントは、遅咲きのつるバラを集約的に配置していることです。
開花期を揃えることで、壁面を隙間なく花で埋めることができています。
パレットと呼んでいる壁面の向かって左端、ここには赤いつるバラだけを配置しています。
「レッドクリフ(赤い断崖)」と呼んでいるゾーンで、割肌調の白い大理石タイルとのコントラストを意識して
白いタイル面を見せるような誘引としています。
再び、玄関アプローチの方へ戻ります。
こちらも、建物外壁に赤いつるバラばかりを誘引しています。
ひとえに赤いつるバラといっても多種多様で、その中から、開花時期、ステム(花茎)の長さ、花色、花形などを
考慮して、品種選びをしています。
建物外壁の右側は、主にイングリッシュローズを配置したゾーンとなっています。
アーチ左からイングリッシュローズのヒルダミュレル、右側から日本の育種家・小山内健氏作出のアップルシードと
いうつるバラを誘引しています。
その手前には、ジェームズギャルウェイ、ウィリアムモリス、ラジオタイムズ、モーティマーサックラーといった、
イングリッシュローズを植栽しています。
ここに地植えしたばかりで、まだ本来の咲きっぷりではありませんが・・・。
来年以降に期待するゾーンです。
エントランスのガラスドアの向かって左側には、ジャスミーナという房咲きのつるバラを誘引しています。
ステム(花茎)が長く、上から幾重にも重なるように枝垂れて咲いています。
ほのかに香るリンゴの香りを嗅ぎながら、来訪者を中庭へと誘います。
ガラス扉を抜けて、中庭に入ったところです。
画面右側にはサンルーム、左側の壁面には、今年はビカクシダ(コウモリラン)を
飾っています。
亜熱帯性の植物なので、冬場は室内に取り込みますが、
今の季節は風通しの良いこの場所に飾って育成しています。
その奥には、建物に囲われた中庭空間が広がっています。
決して広いスペースではありませんが、ゆっくりとくつろげるように
ガーデンチェアとベンチを置いています。
くぐったガラス扉を見返すと、こんな風景です。
玄関アプローチの脇にある小壁とそこの壁面に誘引したつるバラ、モーツアルトが
前面道路からの視線を遮り、プライベート空間としての中庭の静けさを守ります。
今年の中庭のバラの風景です。
前庭はどちらかというと遅咲きのバラが多く、中庭は早咲き品種のバラが多い空間という位置づけにしています。
今年の中庭のバラは生育も良かった半面、少しつるが暴れて、風景としてはまとまりのない散漫な感じになって
しまいました。
鉢植えのバラも多く、うまく鉢を移動させながら風景をつくっていましたが、今年はバラシーズン中多忙で、
ゆっくりと庭を仕上げる時間がありませんでした。
来年は、もう少し見せる中庭空間をつくりたいと思っています。
こちらは、中庭の一番奥から、前庭方向を見返したアングルです。
コの字型に囲われた中庭も、様々な植栽に溢れています。
育ててみたいと思う植物が年々増え、育てるスペースがだんだんなくなってきているのが悩ましいです。
中庭にも、株立ち樹形のコハウチハカエデをシンボルツリーとして植えています。
画面左側が方角でいうと南になるのですが、隣戸が迫っているため、日陰のスペースができてしまいます。
その日陰のスペースもうまく活用すべく、様々な工夫を凝らしています。
中庭に面したサンルームのガラスの壁面には、大型のつるバラ、ピエールドロンサールを誘引しています。
今年は、横に倒した枝数を増やし、玄関アプローチから抜けてくる花のトンネルのように咲かせています。
画面右側の建物際に誘引している赤いつるバラは、イングリッシュローズのテスオブダーバービルズ。
この場所に地植えして2年目、ようやく調子が上がってきたのですが、枝が暴れて壁面から大きくはみ出して
咲きました。
この辺りも来年に向けての改善点のひとつかと思っています。
こちらは、中庭に面したサンルームのガラスの壁面に誘引したつるバラピエールドロンサールと、
クレマチス・マーガレットハント&ジョセフィーヌのコラボレーション。
ピンクのバラと薄紫色のクレマチスの相性がとても良く、気に入っている風景のひとつです。
こちらは、中庭のサンルーム横のシャードガーデン。
中庭のシンボルツリー・コハウチワカエデを植えている足元になるのですが、ここが中庭で一番の日陰のエリアで、
バラはうまく育たないため、日陰を好むギボウシやフウチソウ、ツワブキなどを植栽しています。
昨年、ギボウシのコレクションにハマってしまって、ギボウシに埋め尽くされています。
ここからは番外編。
我が家にあるバラの中でも、特に早咲きなのが、前庭の隣地境界に植栽しているつるバラで、カクテル。
バラの殿堂入りも果たしている名花で、バラを始めた頃からずっと育てています。
玄関アプローチの隣地境界沿いの白いタイルの壁面に誘引するとともに、お隣さんの敷地をお借りして、
同じカクテルを鉢植えで、オベリスク仕立てで並べるように配置しています。
こうすることで、街並みに対してボリューム感のある風景をつくることができています。
一方、前面道路に面した反対側の敷地境界の白い木製フェンスにも、早咲きのつるバラ、ピンクカクテルを
誘引しています。
名花カクテルの枝替わり品種で、ピンク、白、黄色からなる花はとてもキュートで、黄色やアプリコット系の
花が咲くイングリッシュローズ(ゴールデンセレブレーション、カーディングミル、タモラ等)と合わせています。
また、足元花壇には、黄色と補色対比の紫色のサルビア、ベロニカ等を植え、
全体として柔らかい雰囲気を醸し出す、「キャンディコーナー」としています。
如何でしたでしょうか?
今年2021年の我が家のバラ庭。
実際のオープンガーデンは行っていませんが、こうして「ネットでオープンガーデン」と称して
皆さんに見ていただける機会を得て、大変嬉しく思います。
今年は、あいにくの雨続きの天候と多忙で、庭を堪能できなかったのが心残りですが、
また来春に向けて今年の課題を越えていけるよう、頑張って庭造りに励みたいと思っています。
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