2026.3.25 / ガーデニング(GARDENING)草花(FLOWER & PLANTS)
3月22日から福岡県福岡市で、福岡フラワーショーが開催されていましたが、本日、3月26日が最終日。
今年福岡へいらっしゃれなかった方にも、興味を持っていただければと、綴ります。
私自身、昨年のプレフラワーショーに引き続き、今年も多くの事を学んだ 福岡フラワーショーでした。
福岡市の「一人一花運動」は、少しでも多くの市民のみなさまに花や緑で繋がり、それをビジネスのチャンスにも広げていきたいとの思いもあって、私も多いに賛同するところでしたが
その中で、もっとも注目した点が、福岡市の、英国王立園芸協会との繋がりでした。
過去にもチェルシーフラワーショーを見たり経験した日本の企業や行政が、このようなフラワーショーを企画した例は過去にもいくつかありました。
1997年に、私がご依頼を受けた「OSAKA gardening festa」もその一環でしたし、その後2000年から始まった
「国際バラとガーデニングショー」も、最初のきっかけは、チェルシーフラワーショーでした。
あのバラショーのあった20年間は5月がスケジュールの軸になっていた中心になっていたような気がします。
そのチェルシーフラワーショーの雰囲気やショーガーデンの様子は参考にしながら、日本でできるコンテスト独自のスタイルを作っていました。
しかし、福岡市の方から2年前にお話をいただき、それは素晴らしい!と、
やる気を出してしまった理由は本国、英国のRHSの協力も得てコンテストを開催するとのこと。
昨年はプレ・ショーでしたが、
今年の第一回に至っては実際にRHSの副会長や理事がいらっしゃると。
まさにRHS方式のコンテストを開催するって、すごいことではないですか!?
(下 最終的にベスト イン ショウ。No.1のガーデンになった デイブ・グリーンさんデザインのガーデンで
細かいクライテリアに精密な点数を入れる。(結構頭がこんがらがった!)
しかし昨年の段階では、コンテストへの参加周知が広まっていない段階でした。
私としては、そこを何とか、日本中のプロの造園家やガーデンデザイナーに参加を呼びかけたいところでした。
そして、1年前の今頃、まだ福岡フラワーショーの存在を知る人は少なかったかと思います。
思いつく限りの日本造園連や農業大学関連、造園家の皆さん、ジャパンガーデンデザイナー協会他、考えられる限りの関係者に声をかけたのは、去年の非常に暑い時期だったでしょうか。
予選の段階では、英国からのエントリーも含め、プロからアマチュアまで、30作品以上が集まりました。
そこから最終的に選ばれた英国勢2名、日本人勢3名。(偶然ですが、審査員と同じフォーメーションですね)
応募作のエレベーション・スケッチは、Aiのテクニックの上手な応募作や、手描きでしかも色鉛筆の、少しタッチの弱さも感じるスケッチなど。
いろいろでしたが、私自身。日本では様々なガーデンショーガーデンコンテストの審査員をもう30年近くも関わってきましたから、描かれたスケッチだけで判断する事なく、文面に表された庭への考え方、
これがクライアントブリーフにあたるのですが、今の時代が抱える問題などを巧みに組み込んだ考え方の作品に重点を置いてチェックをしていきました。絵があまりうまくなくても、庭を美しく作る人がいます。慣れていないと絵の上手い方CGが上手い人に加点されてしまいます。それは要注意。植物の仕入れ先に精通している人も庭作りは上手いはず。
さて実際に私たち日本の審査員が英国側から出されたチェルシーフラワーショーにおける審査方法は
考えていた以上のしっかりとしたものでした。
さすがに100年以上も続く伝統です。それらを実際に耳にして書類を目にした時は、まさに感動と興奮に包まれました。
それと、もっと!早くこの感じを理解しておきたかった!
(写真はゴールドメダル。ベストコンストラクション賞。ピープルズチョイス賞に輝いた藤井宏海さんたちの作ったガーデン)
個人的にも、一番好きだった庭です。
しかし、コンテストは審査員の好き嫌いで、決定されるものではなく、
そこにはさまざまな厳しい審査基準があります。あくまでも基準に則って決定されます。
当初は福岡スタイルのコンテストの方式があっても良いのかと思っていましたが、
このチャンスに完全にRHSのチェルシー式を完全踏襲することになりました。
そこが素晴らしい!!!
以下、こうして私が詳しく綴りますのは、今回の審査企画そのままではなく(ただ基本限りなく同じ)
RHSのホームページ他一般的なこれまでの情報に掲載されてるものを収集、その範囲をまとめています。
それらを改めて日本語でここに記述しておくことにも意味があるかと思います。
コンテストの審査員を担う中で、責任を持って読み込んだのが
「アセスメント(評価・分析)」
「9つのクライテリア(判断基準)」そして、一番重要なのが
「クライアントブリーフ(目的や意図の理解)」でした。
これらは、あらゆる分野で企画やデザインに関わる人にとって、欠かせないプロセスであり、考え方です。
目的や意図の理解。何のために庭を作るのか。
その意図を十分に理解して現実にその庭を作ることができたかどうか。
しかし、これまでのわたしの人生において、大学でも社会の実践の中でも、ここまで明確に体系化された「考え方」に触れる機会はありませんでした。そのことに大きな衝撃を受けた5日間でもあったのです。
福岡フラワーショーは、こうした本格的なアプローチを私たちガーデンデザイナーにもし伝えることがしっかりできたならば、これはもう完全にエポック。
でも伝わらないといけません。伝わらなかったらなかったも同然ですよね?
さて、「アセスメント」とは、情報を集めて分析し、課題を見つけ、判断や計画につなげることです。
また、その出発点となるのが「クライアントブリーフ」です。
ガーデンを作る、商品開発をするにしても、編集会議でも、旅行企画でも同じ。
ブリーフは
・なぜ行うのか(目的・背景)
・誰に向けるのか(ターゲット)
・どんな課題があるのか
・何を作るのか(内容)
・予算やスケジュール
・どんな表現にするのか(トーンや雰囲気)
これらを正しく理解し、実現できているかが問われます。
審査は2日間にわたり、RHSの副会長・理事、日本の審査員、そして
未来の審査員であるシャドウ・ジャッジが参加し、非常に丁寧に行われました。
RHSの長い歴史の中で築かれてきた審査方法を、日本の審査員である私たちは、一から学ぶ必要もありました。
9つのクライテリアを理解する中でも、特にクライアントブリーフの実現性が重視され、時間をかけて検証されました。
3D審査と2D 審査の大きな違い。生態環境があっているか?これも厳しくチェックです。
花がどれだけ美しく咲いているかだけでなく、今や持続の可能性は当然のことながら、
その背景や意図をどれだけ読み取れるか。
これからの時代は、フラワーショーというお祭りの中に、私たちが元気に生きていく上で必要なヒントを様々な形でわかりやすく取り入れていく必要があると感じています。
福岡は大都市です。大きな街の規模で開催されているこのフラワーショーを表層的に見た感じだけで判断するのは、難しいのかもしれません。
ただし華やかな花のお祭りに気分が高揚するだけでも、価値のあることですが。
繰り返しになりますが、
アセスメントに始まり、9つのクライテリア、そして最も重要なテーマ理解への能力が問われるクライアントブリーフ。
こうした課題は、すべての職種の企画やデザインをする人々にとって非常に重要。このように重要な分析方法大学でも、3年間在籍したデザインの会社でも明確にはされていなかった。その衝撃に打ちのめされたような福岡フラワーショーの5日間でした。
すべては英国王立園芸協会 RHSの100年以上にわたるフラワーショー・コンテストの実績によるもの。
それらの目に見えないRHSの本質の部分まで日本に招聘した福岡市は素晴らしい。
その部分は外側を見ただけではわかりませんが、これからは、私たちがそれを活かして行かなくてはならない。
⚫︎「アセスメント(assessment)」とは、物事の状態・能力・価値などを評価・分析して判断することを意味します。
日本語では「評価」「査定」「見立て」などに近い意味で使われます。
アセスメントは、情報を集めて分析し、現状や問題点を判断するプロセスを指します。
⚫︎クライアントブリーフをなによりも、最優先に検討
実際にクライアントブリーフを的確に実現できているか?
- 目的・背景(なぜこのプロジェクトを行うのか)
- ターゲット(誰に向けたものか)
- 課題・ニーズ
- 具体的な依頼内容(制作物や施策)
- 予算・スケジュール
- トーンやイメージ(デザイン・表現の方向性)
少しでもこのブリーフとズレていると減点になります。
予算をオーバーすること自体もきっと、そう。
そこをアセスメントする。評価する。
- 状態や能力を評価する
- 問題点や課題を分析する
- その結果をもとに判断や計画を立てる
他にも細かな分析課題を明確に分け、その点を一つ一つ討議しながら総合的に判断していきます。
とても時間がかかって、苦しくなるほどでした。
フラワーショーオープン前の、コンテスト審査は二日間に及びました。
コンテスト・ガーデンは30分づつほど、何度も見直すと見え方が深くなっていきます。
それぞれの検討に非常に慎重にしかも、繰り返し、長い時間をかけて
王立園芸協会 から副会長と理事
そこに
日本勢ジャッジ3人 +シャドウジャッジ
(未来の審査員)
王立園芸協会が長い時間をかけて築いて来た審査方法は 私達は最初から...
イチから学ぶ必要性があった。
厳格な9つのクライテリアの違いを学びつつ、
9つの中でも、1番大切な
クライアントブリーフについての実現性は 特に時間をかけて検証に検証を重ね。
(1997年〜) 最高基準の史上最も学びの多い時間でした。
トップ賞をとった庭。
パッと見て花がたくさん咲いているかというよりも、読み込む事が重要です。
もちろん、人を立ち止まらせる何か、は欲しいですが。
皆さまも会場に設置してある鮮やかなピンク色のサイン看板を
しっかりと読んでみて、くださいね!そして、その通りに庭が完成しているかどうか?
必ずしも、花が咲いているかということではなく、哲学が貫かれたか。どうか?
そして、本日最終日 26日発表の コンテストガーデン、ピープルズチョイスは、
ガーデンNo.E 藤井宏海さんによる
-優しさの芽吹く庭- に決定!
こちらは、ゴールドメダル受賞、Best constraction(最優秀施工 賞)も取っていて、
私としても嬉しい限りです!かやぶき職人さんも
若い女性で若いチームの元気な姿がとても印象的でした。
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