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専門家「風景」をつくるガーデニング術

ネットでオープンガーデン2023・友人宅のバラ庭【動画あり】

居場英則

今年もあっという間に、バラシーズンが到来し、そしてもう終盤を迎えています。

毎年、この時期は何かと忙しく、ついついブログの更新が遅れてしまいます。

さて、今年も「ネットでオープンガーデン」と称して、我が家のバラ庭、友人宅の庭、

そして僕がデザインを手掛けた京都のバラ園(京北・香りの里/六ヶ畔・花簾庭)の様子を

順次ご紹介したいと思います。

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合わせて、昨年の春からスタートした、園芸Youtubeチャンネル「ショクナナ!」にて、

僕がそれぞれの庭の解説をさせていただいておりますので、その動画サイトもご紹介しておきます。

それでは、2023年の「ネットでオープンガーデン」は、僕の友人宅のバラ庭をご紹介させていただきます。

ここは、奈良県某所にある僕の友人宅の庭で、当初は「和」の庭だけでしたが、バラ庭をつくりたいと相談を受け、

庭の一角に、ローズガーデンを作りました。

これまでにも、何度かご紹介させていただいておりますが、今年2023年も、開花時期に合わせて訪問しました。

今年は、ゴールデンウィーク中の5月4日にお邪魔しました。

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こちらは、玄関アプローチのブロック塀に誘引しているウェルカムローズの「春風」。

今年は、少し訪問するのが早かったのか、まだ全部は咲ききっていない状態でした。

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それでも、「春風」の鮮やかなマゼンタピンクの花の連なりが美しかったです。

花色もさることながら、ステム(花茎)が短く、誘引した枝のカタチに沿って

きれいに咲いてくれるところも、この「春風」の魅力の一つです。

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特に、こちらのまだ完全に開ききる前のフレッシュな花は、とても美しいです。

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「春風」のとなりに誘引しているつるバラ、「安曇野」も、まだ少し早かったです。

まだほんの数輪が開花した程度でした。

それでも、一重咲きの楚々とした風情がとても印象的なバラです。

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続いて、こちらは玄関横の花壇に植栽したつるバラで「アンジェラ」。

多花性で密に咲くのが、この「アンジェラ」の特徴の一つですが、地際からブロック塀の上まで、

一様に咲いているのが分かりますでしょうか?

これは、「段差剪定」という剪定方法を使って誘引したもので、壁一面が花で埋め尽くされたような風景になって

イメージ通りに開花してくれたと思います。

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「アンジェラ」の花のアップです。

割と単純な花弁ですが、特に咲き始めの頃は、花弁のピンク色が濃く、とても目を惹きます。

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「アンジェラ」の横には、懸崖仕立ての「ヨハンナ・レプケ」というピンク色のつるバラが続きます。

「ヨハンナ・レプケ」のほとんどは、懸崖仕立てという手法を使って、「空中に誘引」しているのですが、

枝先部分を、ブロック塀のフェンス部分に留めています。

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「ヨハンナ・レプケ」は、ピンク色の花弁がフリルのようになった可愛らしい花です。

よく見ると、花弁のピンクにグラデーションが掛かって、なかなかに美しいです。

この「ヨハンナ・レプケ」は、枝に棘がなく、枝もまっすぐに伸び、とても誘引しやすいつるバラです。

枝先を多少下垂させても咲くという性質もあり、非常に扱いやすいつるバラです。

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もう一つ、外構のブロック塀に枝先を誘引しているのが、こちらのつるバラで「ポール・ノエル」。

ランブラー品種で、とても長く伸びるタイプのつるバラで、この一本で長さ5mはあるツルが無数に伸び、

パーゴラを覆いつくしています。

余った枝先を外構のブロック塀に誘引しています。

花は、小ぶりな房咲きで、アプリコットピンク色です。

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「ポール・ノエル」は咲き進むと、このようにゴージャスな風貌に変化していきます。

細かい棘が難点で、誘引にはとても苦労しますが(この一本だけで半日を要します。)、

咲くと苦労が報われるほど美しいバラです。

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パーゴラに誘引している「ポール・ノエル」の横で咲く、黄色い花のつるバラ、「ゴールデン・リバー」です。

実は、この「ゴールデン・リバー」、冒頭に紹介した「春風」の枝代わり(突然変異)品種なのです。

花形も、花色もかなり違うのに、不思議な感じです。

「春風」もこの「ゴールデン・リバー」も早咲き品種なのですが、今年は、

この「ゴールデン・リバー」は枝先のほんの数輪しか見れませんでした。

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こちらは、玄関の格子ドア前に植栽しているつるバラで、「ジャクリーヌ・ドュ・プレ」。

土色の外壁と格子の玄関ドアがあるため、「和の趣き」を重視して、

このつるバラを配置しています。

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この「ジャクリーヌ・ドゥ・プレ」は、白いマットな花弁に、赤いシベが特徴で、

洋の庭だけでなく、和の庭にもとても良く調和するバラだと思います。

香りもスパイシーで、とても個性的なバラです。

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この「ジャクリーヌ・ドュ・プレ」の前庭は、庭主さんが、和の趣きのバラ、「ニオイバンマツリ」を植栽されています。

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花色が、濃い青紫、薄紫色、白とグラデーションし、香りもあって、とても魅力的な植物です。

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ローズガーデンエリアには、他にも、「レーヌ・ドゥ・ヴィオレット」という

赤紫色のつるバラも植栽していまして、大型のアーチに誘引しています。

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他にも、元々我が家で植栽していたつるバラ、「つるアイスバーグ」を移植させていただいて、

こちらの庭で大きく成長しています。

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「つるアイスバーグ」は、枝が木質化するつるバラの代表格で、

こちらに植栽して、もう5年以上は経ちますが、太い幹になっています。

なかなかシュートが出にくい品種とされていますが、

今年は株元近くからサイドシュートが出ました。

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こちらは、今まではほとんど紹介していなかったつるバラで、建物の北側の道路際の境界ブロック塀に誘引している、

つるバラで「コーネリア」。

我が家でも、建物の北側の完全日陰のパーゴラに誘引しているのですが、

日当たり条件の悪い場所でも十分花を咲かせてくれる、とても優秀な品種のつるバラです。

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コーラルピンクの小輪房咲き品種で、ステム(花茎)が短く、コンパクトに収まる一方、

日陰でも良く伸びてくれる使い勝手の良い品種でもあります。

条件の悪い場所にお勧めのつるバラです。

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ここから先は、庭主さんが育てておられる植物を少し紹介しておきます。

和のゾーンに植えられていた「シラン(紫蘭)」です。

ちょうど、バラの開花期に一緒に咲いてくれるので、バラの足元を飾ってくれるコラボ宿根草の代表格です。

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ランだけに花形も美しく「映える」植物で、これも洋でも和でも、

どちらにも合わせることができる優秀な宿根草と言えます。

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最後に、こちら、「ジャーマン・アイリス」。

これもバラと同時期に開花するコラボプランツとして重宝します。

花も大きくゴージャスで、バラに負けないくらい目を惹く植物です。

如何でしたでしょうか?、僕の友人宅のバラ庭。

写真では動きや空間をうまく伝えられないですが、動画では、

そのあたりも感じていただけると思います。

是非、動画の方もご覧いただければ幸いです。


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居場英則

『進化する庭、変わる庭』がテーマ。本業は街づくりコンサルタント、一級建築士、一級造園施工管理技士、登録ランドスケープアーキテクト(RLA)。土面の殆どない庭で、現在約120種類のバラと、紫陽花、クレマチス、クリスマスローズ、チューリップ、芍薬等を育成中。僕が自身の庭を創り変える過程で気づいたこと。それは、植物の持つデザイン性と無限の可能。そして、都市部の限定的な庭でも、立体的な空間使用、多彩な色遣い、四季の植栽の工夫で、『風景をデザインできる』ということ。個々の庭を変えることで、街の風景も変えられるはず…。『庭を変え、街の風景を変えること』が僕の人生の目標、ライフワーク。ーー庭を変えていくことで人生も変えていくchange my garden/change my lifeーー

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