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専門家「風景」をつくるガーデニング術

県立奈良高校・創立100周年記念事業・中庭プロジェクト、その15(「羅針盤」設置セレモニー編)

居場英則

僕の母校である、県立奈良高等学校の創立100周年記念事業でつくる中庭プロジェクト。

徐々に出来上がっていく中庭の様子を、ランドスケープアーキテクトの視点でご紹介しています。

中庭の工事も、いよいよ最終段階を迎えつつあります。

第15回目は、新しくつくる創立100周年の中庭の新たなシンボルとなるモニュメント「羅針盤」と呼んでいる

石板プレートの設置セレモニーが、先日学校で行われましたので、その様子をレポートしたいと思います。

【 2024年2月29日(木)】

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創立100周年の中庭整備プロジェクトも、ほぼ完成に近い形となり、あとは、植栽工事のうち、

宿根草などのグランドカバープランツを植栽する工事を残すのみといったところまで来ました。

構造物や仕上げもほぼ終わった中庭ですが、まだこの時2月末で、すでに植栽されている高木、中低木も

落葉樹が多いため、冬枯れに近い様相のままですが、ゆっくりと春の足音は近づいているように思います。

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旧校舎(法蓮校舎)から移された、創立50周年記念でつくられたプラトン・アリストテレス立像も、

所定の位置に設置完了し、周囲のしつらえ(仕上げ)も終わって、

あとは、中庭が学生たちに使われるのを待っているかのようです。

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2月の最終日、翌日に3年生の卒業式を控えて、この日は、3年生が久しぶりに登校してくる日だそうです。

明日の卒業式の予行が行われるとのことで、それに合わせて、中庭でセレモニーが行われることになり、

中庭の設計者として、私もそのセレモニーにお招きいただきました。

この日行われるのは、中庭に設置した「羅針盤」と呼んでいる石材プレートの設置式です。

学校の先生方が、そのセレモニーの準備に中庭にお越しになりました。

「羅針盤」を養生していたブルーシートと合板がどけられました。

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代わりに、真新しい白い布が「羅針盤」の上に掛けられました。

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今日のセレモニーでは、昨年10月~11月にかけて実施した、「羅針盤」制作ワークショップに参加してくれた

学生たちが、設置を祝って、除幕式を行ってくれることになっています。

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「羅針盤」(石板プレート)は、直径3mもある、かなり巨大なもので、それをすっぽり隠す

大きな白い布が敷かれました。

正面には、創立50周年記念でつくられた「プラトン・アリストテレス立像」が見えています。

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学生(在校生)ワークショップで制作した「羅針盤」は大きく8つのパーツに分割されていて、

そのうちの7つ(外側の扇形6枚と中央の円形パーツ1枚)はすでに、工事で設置されています。

残りの中央に収める直径30センチ程度の最後のパーツを、本日「羅針盤」をデザインした学生が

設置することになっています。

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これまで、工事中の中庭は、基本的に工事関係者以外、立ち入り禁止となっていまして、

ほとんどの学生は、中庭を校舎から見下ろすことはできても、中に入ることはできませんでした。

本日は、各クラス代表と、式典のファンファーレを鳴らしてくれる吹奏楽部のメンバー、先生方も

中庭に入っていただくことになっているので、これまで養生されていた、生駒石のベンチの養生も外して、

すっきりとした状態にしていただきました。

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卒業式の予行が終わって、教室に戻った学生のうち、1年~3年生のクラス代表が、中庭へと降りてきました。

そして、楕円形のベンチに固まって座ってくれました。

これだけの人数がベンチに座ったのは、初めてです。

また、校舎の廊下側の窓や各クラスの窓から、多くの生徒が中庭を見下ろすように顔を出してくれました。

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見上げると、すべての窓から学生たちが顔を出してくれて、賑やかしくなってきました。

いよいよセレモニーが始まります。

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まずは、前田景子先生が、ご挨拶をされました。

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セレモニーのご招待いただいた私も、中庭の設計者として、簡単にご挨拶させていただきました。

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そして、いよいよ「羅針盤」の除幕式です。

「羅針盤」制作ワークショップに参加してくれた学生(2年生、1年生)有志が、その大役を担います。

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吹奏楽部メンバーのファンファーレのあと、ワークショップ参加メンバーが、白い布を引きます。

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白い布の下から、黒い御影石でできた「羅針盤」が姿を見せました。

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2年生の森川夢可さんがデザインし、大西雪乃さん・前田悠里花さんと3人で意見をまとめて完成させた

「羅針盤」の最後のパーツを、羅針盤の中心に嵌めるところです。

この日は、地元新聞社の記者さん(彼女も奈良高校のOBです。)が取材に来てくれました。

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そして、最後の中心パーツがピタリと「羅針盤」に納められて、「羅針盤」は完成しました。

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セレモニーの司会を担当してくださった吉村先生(吉村先生も奈良高校のOBです。)が、

頭上の校舎の窓からセレモニーを見ていた学生たちに、ここまで丁寧に施工をしてくださった建設会社の皆さんへの

拍手を促しておられました。

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「羅針盤」の最後のパーツが納まったあと、その羅針盤の中心から、サプライズで、噴水が上がりました!

約2mほど、吹き上がりました。

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原設計では、「キャンドル噴水」と呼ばれる、コンピュータ制御で間欠泉的に吹き出しがコントロールできるものを

イメージしていたのですが、工事費圧縮のため、やむなく「キャンドル噴水」はなくなってしまいました。

学校側から、何とか水が吹き上がるようにだけはして欲しいという意向もあり、施工会社さんの協力もあって

簡易な噴水として手動式の噴水が、なんとか実現しました。

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セレモニーの最後に、中庭へ降りて式典に参加してくれた各学年のクラス代表と、「羅針盤」制作ワークショップに

参加してくれたメンバー、学校関係者、施工関係者と一緒に完成した「羅針盤」の前で記念撮影を行いました。

高校を卒業して、もう何十年にもなりますが、学生たちと一緒に記念撮影に参加させていただき、

何とも晴れがましい気持ちになりました。

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記念撮影のあと、「羅針盤」制作メンバーの一人(書道部の部長さん)が、僕のリクエストに応えて書いてくれた

「書」を披露してくれました。

新しい中庭にふさわしい「書」を書いてもらえないかとリクエストしたのですが、どんな字を書くかは、

お任せしていました。

書いてくれたのは、呂本中(りほんちゅう、1084年~1138年)という北宋末期から南宋初期の詩人・学者の

『庵居』に典拠がある「鳥語花香」(ちょうごかこう)という言葉(四文字熟語)でした。

鳥の鳴き声と花の香がする、春ののどかな情景のことを表しているそうです。

新しい中庭にピッタリの言葉ですね。

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その「鳥語花香」の書の前で、「羅針盤」ワークショップに参加してくれたメンバーと、記念撮影をしました。

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そして、セレモニーが終わっでひっそりと静まった中庭です。

「羅針盤」の養生も、もう取り付けられず、ほぼ完成の状態で、供用を待つばかりです。

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残すは、現在土が露出している部分に、宿根草、グランドカバープランツを植栽する工事のみです。

3月中旬に、今度は、奈良高校の卒業生有志を募って、植栽ワークショップを行う予定にしています。

現役生、OBOGの卒業生が、力を合わせて、創立100周年記念事業の中庭整備の最終仕上げを行います。

次回は、その植栽ワークショップの様子をご紹介できればと思っています。

乞うご期待ください!

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【 奈良高校・創立100周年記念事業について 】

今回の奈良高校・創立100周年記念の中庭プロジェクトは、50年前の創立50周年の時と同じく、

OBOG(卒業生)をはじめとした、様々な方々の寄付によって創られる事業になります。

「奈良高校 100周年記念特設サイト」も、2023年9月1日よりオープンしております。

  [ 奈良高校 100周年記念特設サイト] は、こちら ⇒ 奈良高校 創立100周年 (narahs100th.jp)

 
 創立100周年を機に、ますます発展する奈良高校へご支援いただけましたら幸いです。   

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居場英則

『進化する庭、変わる庭』がテーマ。本業は街づくりコンサルタント、一級建築士、一級造園施工管理技士、登録ランドスケープアーキテクト(RLA)。土面の殆どない庭で、現在約120種類のバラと、紫陽花、クレマチス、クリスマスローズ、チューリップ、芍薬等を育成中。僕が自身の庭を創り変える過程で気づいたこと。それは、植物の持つデザイン性と無限の可能。そして、都市部の限定的な庭でも、立体的な空間使用、多彩な色遣い、四季の植栽の工夫で、『風景をデザインできる』ということ。個々の庭を変えることで、街の風景も変えられるはず…。『庭を変え、街の風景を変えること』が僕の人生の目標、ライフワーク。ーー庭を変えていくことで人生も変えていくchange my garden/change my lifeーー

個人ブログChange My Garden

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