2021.9.27 / お気に入りの植物
少し前の記事で、「僕のギボウシコレクション」と題して、我が家の庭で育てているギボウシ(ホスタ)を
ご紹介いたしました。
ここ数年、コレクター魂に火がついて収集している植物があって、ギボウシの他に、シャクヤク、
クレマチスなどですが、宿根草の「ヒューケラ」もその一つです。
今回は、我が家の庭で育てているヒューケラのコレクション(品種)をご紹介しながら、
ヒューケラという植物の魅力に迫りたいと思います。
我が家の庭では、メインのバラの足元に、以前からカラーリーフが特徴のヒューケラを活用してきました。
ヒューケラは、日本では「ツボサンゴ」の名前で古くから愛されてきた植物で、
ユキノシタ科ヒューケラ(ツボサンゴ)属に種別される宿根草です。
常緑の多年草で、冬期に地上部がなくなるギボウシ(ホスタ)と違って、冬が来ても地上部を枯らすことなく、
一年を通して美しい葉姿を保ちます。
こちらは、我が家の玄関アプローチ脇の土のあるスペースに植えているヒューケラです。
同じ宿根草のクリスマスローズやアジュガ、スミレなどと一緒に植え付けています。
ヒューケラの魅力は、なんといってもその葉色・葉の形のバリエーションの多様さといえるでしょう。
宿根草の多くは、花を楽しむことを目的にしていますが、このヒューケラは、カラーリーフプランツとして、
花壇の足元を彩る名脇役としてのとても重宝します。
こちらは、我が家の中庭、シェードガーデン。
ヒューケラの葉には、緑系、黄色系、オレンジ系、赤系、紫系などの他に、
最近はシルバー系やブロンズ系など、多彩な色合い、質感の品種が開発され、
ますますコレクター魂をくすぐられます。
ヒューケラは、カラーリーフプランツとして、その葉に価値がありますが、
素朴な小さな花を咲かせ、開花期には庭のアクセントにもなります。
開花期は5〜6月頃。
細い花茎を伸ばし、その先端に穂状になった小さな花が咲きます。
花色は、ピンク、白、グリーンなどがあります。
和名の「ツボサンゴ(壺珊瑚)は、サンゴのように細い花茎を伸ばして、
壺形の花を密に咲かせる花姿に由来すると言われています。
ここからは、我が家で育てているヒューケラの中から、特におすすめの品種をご紹介していきたいと思います。
ヒューケラに適した環境は、日向~半日陰。
耐陰性もあるので、シェードガーデンでも育てることが可能です。
また、ヒューケラの葉は、季節(温度や日光量)や栽培環境によって変化しますので、
以下にご紹介する品種ごとの写真も、葉の発色により印象が大きく変わりますので、ご注意を。
■レーブオン
こちらは、少し青みがかったグリーンの葉が特徴の品種。
多様な葉色のヒューケラですが、青い葉の品種はないので、この品種は青みの強い品種でとても気に入っています。
成長が遅く、少し気難しい品種のように思います。
■チョコミント
こちらは、チョコミントという品種で、緑とチョコレート色が混じった葉色が特徴で、
そのネーミングが絶妙です。
写真では緑が濃いですが、季節によっては茶色が混じります。
フラクタル模様(自己相似形)も際立っていて、葉色は緑で、ガーデンでは他の植物の葉に埋もれてしまう
感じがありますが、とてもインパクトがあり、庭では逆に良く目立っています。
■タペストリー
こちらも、緑の葉が鮮烈な品種でタペストリー。
葉の切れ込みが深いのが特徴です。
葉脈が黒く、緑の葉とのコントラストが印象的な品種です。
■ゴールデンゼブラ
こちらも、緑葉のヒューケラで、ゴールデンゼブラという品種。
先ほどのタペストリーという品種に似ていますが、緑の葉が明るい黄緑色です。
実は、こちらもゴールデンゼブラという品種のヒューケラ。
同じ品種でも全く雰囲気が異なります。
葉色も、黄色に近い黄緑色で、葉脈も赤茶色が鮮明です。
同じ時期に撮影したものですが、育ている場所の違いや、株の成熟度によって葉色が異なります。
品種名の通り、もう少し黄色みが強くゴールド色に近い葉色になることもあります。
■ニューエスト
こちらも、緑葉のヒューケラで、ニューエストという品種。
こちらは、葉脈も緑で、葉全体が鮮やかな緑色の濃淡で、野菜の葉のような感じに見えます。
■ソーラーエクリプス
こちらは、ソーラーエクリプスという品種で、葉の真ん中の茶色い斑が大きいのが特徴です。
コントラストが強い葉は、葉の外側に緑の縁取りがはっきり表れ、とても個性的です。
■ジンジャー
こちらは、ジンジャーという品種。
そのネーミング通り、生姜色ベースで、淡い茶色から薄い緑色へのグラデーションが特徴です。
■メイプルファッジ
こちらは、メイプルファッジという品種で、葉に葉脈があまり見えず、マットな印象の葉です。
葉の色は、黄緑色から茶色のグラデーションです。
■バターラム
こちらは、バターラムという品種。
ネーミング通り、バターぽい色の葉が特徴ですが、写真を撮影した時は、割と緑色に発色しています。
黄緑色から赤茶色のグラデーションで、葉脈が割と良く見えるタイプです。
■バタークリーム
こちらもひとつ前のバターラムに良く似た感じの品種で、バタークリーム。
写真で見る感じでは、ほぼほぼバターラムと同じですが、季節により葉色が大きく変化するタイプです。
■キャラメル
こちらは、キャラメルという品種で、葉がとてもマットな質感で、色はまさにキャラメル色。
先に紹介したメイプルファッジに近い質感の葉です。
補色対比になる、ブルー系の花と合わせると美しく映えます。
■アンバーウェーブ
こちらは、ゴールドぽく見える葉色が特徴で、葉の切れ込みが深い品種です。
真上から見下ろしたアングルです。
落ち着いた色合いで、モミジの紅葉のようにも見え、とても気に入っているヒューケラです。
■ブロンディ
こちらは、ブロンディという品種。
黄土色からレンガ色のグラデーションの葉で、マットな質感が特徴です。
葉の形が丸いのが特徴です。
■パプリカ
こちらは、パプリカという品種で、そのネーミング通りのパプリカ色で、オレンジ色~赤へと
季節によって大きく葉色が変化します。
嫌味のないオレンジ色の葉っぱは、ガーデンの中で特に目立ちます。
■ファイヤーアラーム
こちらは、ファイヤーアラームという品種で、本来はネーミング通りの火のような赤から濃いオレンジ色の
葉色になります。
■ジョージアピーチ
こちらは、赤~赤紫色の葉色の品種で、ジョージ・アピーチ。
紫蘇のような赤紫色の葉は、ガーデンで特に目を惹きます。
■ベリースムージー
こちらは、我が家にあるヒューケラの中では、最も赤い品種で、ベリースムージー。
写真では、明るい赤紫色ですが、季節によってはもっと赤くなります。
赤紫色系のヒューケラの中では、もっともおススメの品種です。
■ミッドナイトローズ
こちらは、濃い赤紫色の葉に、ピンクの斑がスプラッシュ状に入る姿なミッドナイト・ローズという品種。
とても個性的で、なかなか他に同じものがない品種です。
近くで見ると、少しサイケデリックな感じがしますが、とても大人な雰囲気の葉が素敵です。
■ベルベットナイト
こちらは、青紫色系のヒューケラで、ベルベット・ナイト。
赤紫系のヒューケラはいくつも品種がありますが、青紫系のヒューケラは、あまり見かけません。
青色の色素を含んでいるので、ブルーガーデンにも調和しそうに思います。
■ブロンズ
こちらは、最近手に入れたばかりの品種で、ブロンズ。
その名前の通り、葉の色がブロンズ(銅色)です。
黒光りする質感も金属ぽくて、庭で異彩を放ちます。
大株に育てて、どんな植物と合わせるのが良いか、いろいろ試してみるのが楽しみです。
■シャンハイ&リオ
こちらは、我が家の前庭、玄関アプローチの花壇に地植えしているヒューケラです。
左側の赤いヒューケラがリオという品種、右側の紫色がシャンハイという品種です。
図らずも、リオ(ブラジル)とシャンハイ(上海)という地名が品種名となっているヒューケラが並びました。
こちらの赤い葉がリオ。
葉脈もはっきり見え、鮮やかな赤が隣のクリスマスローズの緑の葉とコントラストになり、インパクトがあります。
こちらの紫色がシャンハイ。
青紫色系ですが、少しシルキーで、妖艶な感じがするので、とても気に入っています。
■ライムリッキー
こちらも、前庭の玄関アプローチ脇に地植えしているヒューケラで、鮮やかな緑色が特徴のライムリッキー。
クリスマスローズの濃い緑の葉と、緑色のグラデーションとなり、とても涼しげに見えます。
如何でしたでしょうか?、我が家のヒューケラ・コレクション。
多彩な葉色と葉形のヒューケラは、まだまだ品種があって、バラと同様、全種類をコレクションすることは
現実的ではないと思います。
そんな中でも、自分のお気に入りのヒューケラを集めて、大株に育て、様々な植物と合わせて、
庭の風景をデザインする喜びがあると思います。
花よりも葉を愛でるカラーリーフプランツのヒューケラにも、スポットライトを当ててみてはいかがでしょうか?
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