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専門家「風景」をつくるガーデニング術

2025年春、ツツジの旅・その4(高良大社・久留米ツツジ群生地)

居場英則

10月からスタートした、「九州・福岡県久留米市にツツジの庭園を見て回ったレポート記事」の第4回目。

前回は、久留米市の中心部から少し外れて、耳納山系の一部、高良山近くにある「久留米森林つつじ公園」を

訪れた様子を紹介しましたが、今回はその「久留米森林つつじ公園」から少し山を下ったところにある、

「高良大社・久留米ツツジ群生地(原木群)」を紹介したいと思います。

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久留米つつじは、江戸時代末期、久留米藩士の坂本元蔵(1785~1854)が、キリシマツツジを原種として、

新種の改良に成功したことが始まりとされています。

その際、坂本は、高良山および梅林寺の境内に、2000本余りのつつじを植えたとされ、

そのツツジから種子を採取したそうです。

現在は、梅林寺の境内にはツツジの古木は見当たらず、久留米つつじにつながる「つつじの古木群生」は、

高良山のみに残るだけとされています。

上↑の写真は、耳納山系へ上る道路から高良大社本殿へ真っすぐに伸びる参道(階段)です。

遥か眼下には、筑後平野が見渡せる絶景が広がっています。

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こちらが、古代から筑紫の国魂と仰がれ、筑後国一宮である高良大社の本殿。

社殿は、国の重要文化財にも指定されており、寺社建築としては、九州最大の大きさを誇っているそうです。

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こちらは、本殿を斜めから見たアングル。

本殿は、入母屋造、柿葺の構造を持ち、手前の拝殿は、同じく入母屋造、正面に千鳥破風付の本格的な権現造の

複合社殿の形式をもつ重要な文化財となっているそうです。

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その本殿・拝殿の向かって右側に、久留米つつじの源流となる場所がありました。

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分かりやすいように、少しクローズアップしてみます。

急こう配の斜面地に、うっすらと赤い花が咲いているのが分かりますでしょうか?

そこが、久留米つつじの原木群(群生地)なんだそうです。

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その場所に「高良大社のツツジ群生地」の説明看板がありました。

案内看板によると、

「ツツジ群生地は、高良大社社殿の背後から南側の崖面にあり、樹齢300年を越えると推定され、

久留米ツツジの原木です。」とのことです。

ツツジに、樹齢が300年を越えるものがあるとは、全く知りませんでした。

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少しアングルを変えて、斜めから撮影してみました。

山麓より高地であることや、周囲に高い木があって日陰になっているからなのか、

まだ平地ほど開花が進んでいないようでした。

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もう少し引いて見ると、こんな感じ。

社殿横、久留米ツツジの原木群(群生地)のすぐ近くまで駐車場となっているので

一般の方には少し分かりにくい感じがしました。

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ツツジの群生地の崖を正面から撮ってみました。

駐車場の擁壁の上、崖の上から、ツツジが降ってくるように枝を伸ばしています。

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アングルをさらに変えて、奥に高良大社の社殿が見えるように撮ってみました。

こちら側は、日当たりが良いのか、だいぶ赤い花が咲き進んでいるように見えます。

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更にアップで撮ってみました。

おそらく、同じ品種のツツジが植えられていると思いますが、このツツジが満開に咲くと、

それはすごい迫力でしょうね、きっと。

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このあたりのツツジが、一番咲き進んでいる感じでした。

少し来るのが早かったですね。

是非、次回は満開のツツジ群生地を見てみたいです。

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いかがでしたでしょうか?、高良大社と久留米ツツジ群生地。

ツツジを知るには、その始まりを知るのが大事ですね。

ここへ来れば、先人たちの苦労と情熱を感じることができるような気がします。

立派な社殿建築も見ごたえ十分で、是非、春のツツジのシーズンに行かれることをおススメめします。

次回は、「久留米つばき園」をご紹介したいと思います。

乞うご期待!


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居場英則

『進化する庭、変わる庭』がテーマ。本業は街づくりコンサルタント、一級建築士、一級造園施工管理技士、登録ランドスケープアーキテクト(RLA)。土面の殆どない庭で、現在約120種類のバラと、紫陽花、クレマチス、クリスマスローズ、チューリップ、芍薬等を育成中。僕が自身の庭を創り変える過程で気づいたこと。それは、植物の持つデザイン性と無限の可能。そして、都市部の限定的な庭でも、立体的な空間使用、多彩な色遣い、四季の植栽の工夫で、『風景をデザインできる』ということ。個々の庭を変えることで、街の風景も変えられるはず…。『庭を変え、街の風景を変えること』が僕の人生の目標、ライフワーク。ーー庭を変えていくことで人生も変えていくchange my garden/change my lifeーー

個人ブログChange My Garden

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