お庭からベランダ、エクステリアなどガーデニング回りをスタイリッシュに演出

 

専門家「風景」をつくるガーデニング術

我が家の「和モダン」ガーデン

居場英則

ディノスさんのこのガーデニングサイトで、ブログ記事を書かせていただくようになって、4年目。

今年の僕の連載記事のテーマは、『スタイル別ガーデニング』。

我が家の庭の一部を切り取って、テーマごとに紹介させていただこうという企画です。

第一回目は『我が家のインドア・ガーデン』をご紹介いたしましたが、第二回目の今回は、

『我が家の和モダン・ガーデン』と題して、我が家の中庭の和を感じるコーナーの演出方法をご紹介します。


このブログを読んで下さっている方ならご存知かと思いますが、我が家の庭は、

「つるバラが建物と一体となる風景をつくる」というコンセプトに基づいてデザインした庭となっています。

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5月、我が家の中庭は、この写真のように、バラの花が最盛期を迎えます。

建物の壁面や庭の各所に配置した高木などにつるバラを誘引し、バラの花を立体的に咲かせています。

モダンな建物のデザインも相まって、どこから見ても「洋風のガーデン」という印象かと思います。

一見すると、「和」の印象はどこにも感じられないと思います。

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ところが、バラの花が終わって、6月紫陽花のシーズンになると、同じこの中庭がこのように変わります。

鉢植えのバラから、鉢植えの紫陽花へと鉢を入れ替える事で、ここまで印象が変わるのです。

「洋の庭」でもちらっと見えていた大きな水瓶(みずがめ)や伊賀焼の手水鉢なども、

「和の庭」への印象変換に一役買っています。

青いストライプのデッキチェアが、モダンな印象を持たせ、「和」に振りすぎないアクセントになっています。

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同じ場所でも季節ごとに大きく印象を変えるために編み出したのが、「ランウェイ方式」の花壇。

テラコッタ鉢を地面に埋め込み、そこにスリット鉢に植えたバラや紫陽花の鉢植えを、

着せ替えるように入れ替えしています。

写真は、赤から青へグラデーションする紫陽花の鉢植えをセットした6月の紫陽花の庭です。

色鮮やかな園芸種の紫陽花を使うことで、「和」でありながら「モダン」な印象を与える庭になっているかと

思います。

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この「ランウェイ花壇」を導入する前は、木立性のバラを地植えしていました。

この中庭に面した1階の部屋は母の部屋で、庭の景色がよく見えるように

大きなガラスの開口部となっています。

ただ、夏になると日差しが強く、部屋の中に降り注ぐ直射日光を遮るために

軒先に簾(スダレ)を掛けるようにしています。

京都生まれの母や僕にとっては、この夏の涼を取る簾(スダレ)は、

京町家の生活の知恵に通じるもので、幼い頃に見た「原風景」を想起させます。

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室内から簾(スダレ)越しに見る中庭風景です。

簾があることで、南からの直射日光を遮るとともに、

簾から透けて見える中庭の緑が、何とも涼しげです。

ただ、天然素材を使った簾(スダレ)は、風情もあって良いのですが、

風雨に晒され、常に紫外線を浴びて、劣化が進み、色褪せたり、

カビが生えたりするのが難点でした。

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スダレ越しに見る中庭は、隣接建物の影が落ちるシェードガーデンです。

葉が美しい宿根草のギボウシやヒューケラなどを植栽し、

艶やかな緑を楽しむガーデンとしています。

ナチュラルな雰囲気に合わせるため、ホースリールもテラコッタ製で

和洋折衷な設えとなっています。

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他にも、中庭空間には、「和」のテイストを感じる鉢植えなどを置いています。

写真は、グレーのシックな鉢植えに植え込んだ、常緑のクレマチスのピクシー。

「洋」の植物でありながら、雰囲気はシックな「和」のテイスト。

和にも洋にも、どちらにも合うような空間演出を心がけています。

そして、今回、ディノスさんの取り扱い商品の中から、

「和モダンの庭」というコンセプトに沿う、ある商品を使わせていただける

ことになりました。

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それを設置する場所は、こちら。

我が家の中庭、「ランウェイ花壇」とネーミングした、

鉢植えの入れ替え方式による花壇に面した、1階の母の部屋の開口部です。

中庭の景色を取り込むため、網戸のない、はめ殺しの三連の窓部分です。

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この大きな開口部に何かを取り付けるのですが、そのために、ここ開口部の寸法を計っているところです。

まずは、横幅寸法を取ります。

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続いて、高さ方向の寸法を計測。

窓前に木杭を立て、それにつるバラやクレマチスを誘引しているので、それらの植物と干渉しない寸法にします。

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今回、使わせていただくことになったのが、こちら。

天然素材調のモダンすだれ」です。

寸法は、縦・横方向に何種類かの既成サイズがあるのに加え、1センチ単位でサイズオーダーもできるようです。

今回は、横幅176センチ、高さ160センチの既成サイズをセレクトさせていただきました。

きっちり梱包されて届きました。

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このスダレ、素材はPVCというプラチックのような素材なのですが、

質感は、本物のスダレと見間違うほどで、良く出来たフェイク素材。

色は、ダークブラウンとホワイトナチュラルの2色あるのですが、

今回は、ダークブラウン色を選ばせていただきました。

小豆色のような渋い色がとてもシックで上品な感じがします。

スダレの上下のサポート部は、天然木を使用していて、質感も高いです。

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いざ、開口部に取り付けしてみます。

脚立に乗って、軒下に設置した3カ所のフックに、

このスダレを引っ掛けて留めます。

設置は至って簡単!

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スダレを全部降ろした時の状態。

今回、スダレの長さ(高さ方向)は1、開口部の2/3ほどの160センチ。

三分割となっている開口部の方立て(継ぎ目)に合わせて、木杭を打ち込み、

そこにつるバラやクレマチスを誘引しているため、

それらが完全に隠れない高さに設定しています。

PVC製のスダレに日差しが当たり、シルキーな質感が出て、高級感があります。

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このスダレ、半分の高さで折り返すことができます。

スダレ下部の玉の部分をフックに引っ掛けるだけのワンタッチで完成です。

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スダレを半分の折った状態。

こうすることで、木杭に誘引したつるバラにしっかり光に当てる事ができつつ、

開口部上部から室内に差し込む強い日差しを遮蔽することができます。

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更に、スダレをロールスクリーンのように巻き上げて行きます。

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そして、最後にスダレの裏側に下がっている別の玉をフックに引っ掛けて、この位置に固定することが出来ます。

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スダレのフック部分の詳細(ディテール)です。

非常に良く出来たシステムで、シンプルで扱い易いユニバーサルなデザインです。

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スダレを全て巻き上げた状態です。

真夏以外は、ほとんどこの状態で大丈夫かなと思います。

天然素材と違って、PVC製で劣化にも強いため、付け放しでも大丈夫そうです。

デザイン的にもとてもスッキリしていて、景観的にも違和感がありません。

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写真は、スダレをハーフサイズで固定したところを正面から見たところです。

「和」のテイストですが、十分、「洋」のテイストにも調和しています。

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巻き上げたスダレを全て降ろした状態で、室内側から見てみました。

モダンなデザインで、室内から見る中庭風景にもスッキリしています。

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ちなみに、こちらが以前のスダレを掛けていた頃のビフォー写真。

天然素材ということもあり、風情はあるものの、

やはり「和」のテイストが強いように感じます。

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同じく天然素材のスダレを使ったビフォー写真。

スダレというかヨシズというのか、本物素材ならではの「和」のテイストが主張し、

モダンなフォルムの建物との調和という点では、少し難ありかなと思います。

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こちらは、今回使わせていただいた、ディノスさんの「天然素材調のモダンすだれ」を設置したアフターの写真。

軽やかなデザインで、とてもクール。

モダンな建物にも調和しています。

また、ダークブラウン(小豆色)の色調が、「和」にも「洋」にもどちらにもフィットすると思います。

また新たな魅力的なグッズが庭に加わり、嬉しくなります。


如何でしたでしょうか?、『我が家の和モダン・ガーデン』。

皆さんの庭づくりの何か参考になれば幸いです。


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居場英則

『進化する庭、変わる庭』がテーマ。本業は街づくりコンサルタント、一級建築士、一級造園施工管理技士、登録ランドスケープアーキテクト(RLA)。土面の殆どない庭で、現在約120種類のバラと、紫陽花、クレマチス、クリスマスローズ、チューリップ、芍薬等を育成中。僕が自身の庭を創り変える過程で気づいたこと。それは、植物の持つデザイン性と無限の可能。そして、都市部の限定的な庭でも、立体的な空間使用、多彩な色遣い、四季の植栽の工夫で、『風景をデザインできる』ということ。個々の庭を変えることで、街の風景も変えられるはず…。『庭を変え、街の風景を変えること』が僕の人生の目標、ライフワーク。ーー庭を変えていくことで人生も変えていくchange my garden/change my lifeーー

個人ブログChange My Garden

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