今年は、温暖地のほとんどのエリアで、多くの種類の桜が3月中に満開になりました。

そのなかで

最も驚いた。というか感嘆した。というか。言葉にできない哀愁も同時に味わったのが

3月31日の、箱根仙石原、星の王子さまミュージアムの富士桜　フジザクラでした。

釣鐘状に下がる咲き姿の可愛らしさが王子さまとよく合うと思って。

14年前の春、私が小田原の植木屋さんで選んでここに、樹形の向きも含め（指示だけですが）

植えた桜です。楚々とした雰囲気が良く、富士山に近いこちらの環境にも合うであろうと思ったものでした。

しかし、ここは、もともと湿地、そして、テニスコートだったり粘土質の土壌環境が難しく途中は

何度も半枯れたりいろいろなことがありました。

自分でもこの種を選んだことを反省していたこともありました。

ここに関わる造園関係の人も何度もこちらのケアをしてきました。真夏の暑さもあったり

難しいことがあった。そして私たちは、ミュージアムの閉園を前に、この桜の開花は3月に

見ることができないだろうねと話していました。ところが咲いたのです....。何百枚でも写真を撮りました。

（用意していたチューリップは３月の開花は無理だろうと、植えていません。

なので、すこし土がちで、咲いているのはアネモネとパンジー）

この桜と会えるのは、今日が最後とわかっているから。理性的でいようと努めましたが、

ここで働くスタッフのチャーミングさとトリプルになったときは、もう涙腺が壊れそうでした。

また、今年は今までの１４年間で、今までになく3月の草花が生き生きとして輝くように咲きました。

この庭が最後の輝きを放つことを皆がわかって、手入れ、心入れも入ったこともあると思いますが

まさに植物たちがそれに応えていた。

まだまだ続けたい.....。そして、その一部は掘り上げ中之条ガーデンズなどに。

ごくわずかではありますが移植します。3年5年と育ってきた宿根草は見事ですから（私の庭にも少し）

それにしても、温暖化の影響。自然界の変化。

もはや、早い桜の開花に不安を感じるのはガーデナーだけはないと思います。

とても、花見を楽しむ気持ちにはなれないこの春でしたが

はままつフラワーパークでも、すでに、今は八重桜だそうです。

↑ 写真は先週のソメイヨシノ。

こちらの写真は日曜日の東京にて。鬱金桜と八重桜が満開で.....

何がどのように咲くのかの観察と撮影は必ずしておきたいガーデナーは予定を早め全国を巡る時期。

私が担当するダブルボーダー（スマイルガーデン）では、このあと宿根草の跳躍は始まります。

今はチューリップが、これからもっと多品種咲いてきます。早咲き、中咲き、遅咲きと長い時期を

楽しめるように設計しているのがこのエリアで。

桜の時期だけに特化して花を咲かせるエリアは一気に咲いて、さくらが散るのにあわせてこちらも一気に終わりますがその瞬発力は見事です。それだけに短い１週間か10日の時期を外せない。

チューリップ担当であり、現在は、私が設計していたダブルボーダーをメイン担当しているオザワさんの植物選択肢は実に多彩で、華やかでセンスよく、ゴージャスなので、じっくりと品種のチェック（どんな品種がいつ咲いたか、どんな背丈で色彩で形か）リファレンスがしっかりして実物が確認できるのも魅力です。

ジム・キーリングさんの彫刻が桜に映えて。このあと桜の花びら池になるのかな。

そして、先日より懸念は、品種にもよりますが、すでにフジが先始めているとのこと。

ちょっと待ってください！　今まではゴールデンウィークだったけれども、今年はかなり早まりそう。

私は、４月１７日ころと、４月２５〜２７日のあたりにフラワーパークを予定していましたが、

開花状況や天候によって予定を動かす可能性があります。

塚本こなみ　はままつフラワーパーク理事長によると、４月２０日ころに咲いてしまうかもしれないと。

はままつフラワーパークの訪問を考えていらっしゃる皆さまにおかれましても、ぜひ、フラワーパークのインスタやホームページをチェックしてぜひ「美しい時」を体験していただければと願っています。

天童浜名湖鉄道の植栽は４月２６日。これは動かないので宿根草の植栽に行っております！

今の様子を二俣駅の伊藤さんからお送りいただきました、NHK大河ドラマ「どうする家康」号が背景になって！