お庭からベランダ、エクステリアなどガーデニング回りをスタイリッシュに演出

 

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新年ですね。❤️ 今年もよろしくお願い申し上げます。

それにしても新しい時代、時代の編曲点、変換点。差し掛かっているどころか。

もう変わっている。と私は思っていますが。

世の中の流れや自然界や地球に起きていること。さまざまな変化。とても気がかりです。

1950年代に生まれている私は、思考というか、概念的にというか。

どう考えても、20世紀の考え方が身についてしまっています。

そうやって育ってきたので、変えるのは簡単じゃないとは思いますが、それは実は徐々に始まっていたから。

予感というか、先見性のようなこと。それは単なる個人的価値観にすぎないのですが、

予感でなくても、たった今感じることには、なるべく従う。行動する。という生き方を選んできました。

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(写真 はままつフラワーパーク 2020春)

しかし、私は「なるべく」みたいな緩さがあるので、偉そうなことは全然言えないし

また、どこかで やぶれかぶれに生きている。というような面もあり。

30代半ばで、コマーシャルでクリエイティブな絶頂期とも言えた80年代の東京はよかったけれども、

やはり予感的にイギリスに移住した。でも、今のままで良いはずないと思いつつ、本当はどうしたいのか。

よくはわかっていなかったので古典絵画技法習得を始めるも、導かれるようにガーデニングと出会い、

まさに探していたものに出会えたと思いました。これは一生もの。植物が大好きということ。

イギリスはすでに、オーガニック・ガーデニングが主流になりつつありました。

たまたま教えを乞いたガーデナーがオーガニック派だったので、ということもありましたが

この庭が好きだ。と思ったガーデンのオーナーやヘッドガーデナーも当然のように自然派でした。

そして、イギリスでは19世紀の終わり頃から「自然派」の運動も始まっていました。

でも、植木鉢で最大限に花を咲かせたかったら即効性の化成肥料は有効です。

イギリスでも、必要な場所によって、それは使い分けられていた。私も仕事上の必要で使い分けました。

かなりの肥料を使って咲かせるのはイギリスで教わったことでした。(90年代初頭はまだそうだった)

黒か白か。というような状況ではなかったのですが。

ここ数年は少しづつ、緩やかに環境への負荷の少ないガーデニングに重点をおくようにしています。

今、そんな変化の時だと感じます。2019年に最後にイギリスに行った時にそれを感じました。

しかし、日本でのニーズはまだ少し先。グラス植物を植えると去年でも「雑草!」と言われてますから(苦笑!)

デザイナーゆえに、ある程度の%は顧客ニーズに応じています。その混ぜ具合がその人なりとなるでしょうか。

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写真=中之条ガーデンズ2021年7月)

大好きな宿根草。

カラマグロスティス 'カール・フォスター'(写真左奥/手前右はデスカンプシア'ゴールドタウ' )

の 、カール・フォスターさんは(1874年-1970年)ドイツの園芸家で、ローメンテナンス・ガーデニング初期のパイオニアとして知られています。

20世紀戦前のドイツで、新しいドイツ式の自然派庭園の父とも言われ、ナーサリーマンでありつつ、危険を顧みずユダヤ人をかくまっていたということも、古い文献で目にしました。

フォスターの大きな功績は、植物を「庭の最も重要な要素」として、特に多年草と芝生を中心にしたこと。

自著『Gardening with Nature』で述べていますが、彼は季節の変化に非常に敏感で、庭を学びの場として推進し、非常に早い時代から植物育種家として、またガーデンデザイナーとして、庭のデザインに「グラス(草)」を使うことを広め、手入れの要らないガーデニングや四季の楽しみを重視する「ニュージャーマンガーデンスタイル」を生み出し、その後のミーン・ルイス、ピート・アウドルフらに多大な影響を与えたことはいうまでもない。

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この交配種のカラマグロスティスは花というよりは、穂の上がりが早いシーズンにすっきりと立ち上がるのが素晴らしいのですが、よくなるのに少し時間がかかる。

でも、3年目以降、不必要に増えることなくクランプ状にまとまる姿が素晴らしくて。私の庭は今徐々に花より形の好きなグラスや灌木が多くなっています。

個人的興味の対象が花ではなく、姿に軸を置くようになったことで世界観が変わってきたのですが、仕事では花に力を入れて行きます。ただ

同じ花が、毎年同じように咲くとは限らない時代です。同じように咲いたり、去年より見事だったりしたら、ガーデナーに拍手です。

できれば、今年の内に観ていただきたいなあとの思いが強くあります。はままつフラワーパークや中之条ガーデンズ、銀河庭園、

残念ながら、星の王子さまミュージアムは多くの花が咲く4月には閉園が決まっていますが、

(数えきれないほど植わっているさまざまな種類のヘレボラスが満開になるであろう3月は、ヘレボラスのイベント開催予定)

また、東京都内でも自宅との往復は3時間ほどかかる代々木公園、そこはどうにか今年から3年は頑張って行きたい。そして、

私自身体力勝負の仕事はあと2-3年ほどで卒業計画、デザインの仕事は一生続けながら、自分なりの予感や先見性を活かして、自分の時間を大切にしたいと思っています。

ミレニアム。 若かった時代に2000年って、どれだけ先のことだろうかと思っていたのが

もう!2023年です。遠い未来の世界に、いつのまにか来てしまったような気がする今日この頃。

私の感覚では、今、まさに未来にいる。という実感さえあります。

インターネットのできない時代(1992年頃)からアップル・コンピューターが身近にあり、そこでは最初ワープロとゲームくらいしかできなかったけれども、毎日触っていた。

当時、イギリスで買ったパソコンに日本語機能を入れるのが本当に大変だったし。

でも、この世界に巨大な未来が待っている気がしていたから。まあ、いまだに大して使いこなせてはいませんが、共に暮らしているのは間違いなく。

スマートフォン(iPhone)は、最初の発売と同時に買って以来何台目なのか数えられないけれど、新しい機種を手にする都度、新しい異次元を感じる。

ここから先、タブレットで絵を描くとかAIにクリエイティブなことをさせるとか。

それは、便利さとは逆に、生理的嫌気も感じるので、それはそれで正しく感じつつ使いながら、ひと息入れに、

庭に出て雑草を抜くとか、良くない枝を剪定するのがもっとも生理的に安定しますね。

冬はヤブ蚊がいないから。穏やかな陽だまりで。

ほら、やっぱりどんな時代になろうとも、ガーデニングだけは、生身の手仕事。幸せ。

そして、宿根草が大好き。

The old saying, first year sleep, second year creep, third year leap is true for many perennials.

多くの宿根草に「1 年目は眠り、2 年目は忍足、3 年目は飛躍」という古いことわざがあります。

そんな感じがやっぱり好きだし、安心できる。幸運な一年を!


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吉谷桂子

英国園芸研究家、ガーデン&プロダクトデザイナー。7年間英国に在住した経験を生かしたガーデンライフを提案。さまざまなイベントや雑誌などに出演するほか講師を務め、著書も多数。また国際バラとガーデニングショウやレストランなどの植栽デザインを担当。2013年春にファッションブランド「Shade」を立ち上げた。


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